凝りに凝った構造は何のため?
本丸周辺の石垣はアート作品のようにも見える部分も。
もちろんこれらも「見せる」ためにこのような姿になったわけではありません。あくまで軍事施設として、敵の侵入を防ぐための工夫です。
本丸唯一の入口は北側。スロープ状の緩やかな坂道ですが、U字型に180度向きを変える導線で、わずかな隙間をすり抜けてゆく必要があります。両側の高石垣上から雨霰の攻撃は避けられません。さらにその先にも…。
なんと、さらにもう一回、U字型に折れ曲がっています。執拗なほどの折れ。本丸入口なのでここがいわば「最後の砦」ですが、絶対に諦めない築城者の強い意志が感じられます。
本丸は四方を全て10m近い高石垣で守られていますが、特に注目すべきは北東の角。
立体的かつ幾何学的に複雑に組み合わさった構造は、後から徐々に積み増しされたものか。あるいは当初からこの形だったのか。
いずれにせよ、「より崩れにくく強固に」「より高さを増し侵入しづらく」、という意図だったことは間違いないでしょう。
ややマニアックですが、各頂点が算木積(さんぎづみ=長編を互い違いにする積み方)になっているのも注目。石垣を頑丈にするための工夫のひとつです。
本丸から下った先にも見どころ多数
高取城、本丸とその周辺だけでも充分に石垣のダイナミックさを体感できるのですが、山道を少し下ってみると、さらにその凄さを堪能できます。
