九州一の繁華街、福岡市・天神に“聳える”『ワン・フクオカ・ビルディング』、通称『ワンビル』。開業して1年。開業当時は、多くの人で賑わいを見せたが、いまの状況は?
来館者数 累計1400万人を突破
再開発事業『天神ビッグバン』の中心ビルとして、1年前の2025年4月にオープンしたワンビル。約130店舗の商業フロアに加え、ホテルやオフィスも兼ね添えた大型複合ビルで、開業初日には多くの人が訪れた。
なかでも、特に混雑したのが、福岡では9年ぶりの復活となった『クリスピー・クリーム・ドーナツ』。初日の待ち時間は、3時間超えだった。

あれから1年。マネージャーの田村唯さんは「10月ぐらいから少し落ち着いてはきたんですけど、また繁忙期で一気にたくさんのお客さまにご来店頂いて、大きく計画を上回っています」と現在の状況を話す。

『クリスピー・クリーム・ドーナツ』では、開業1周年を記念した特別ボックスが、期間限定で販売される。

運営元の西鉄によるとワンビルの来館者数は、開業当初に比べると落ち着いてきたものの2026年4月には、累計1400万人を突破し、概ね計画通りのペースで推移しているという。

西鉄の林田浩一・社長は「老若男女、そしていろんな目的も多様化してこの場所に集まってくれるようになった。成功したんじゃないか」と1年を総括した。

東京 大阪 京都に続く国内4店舗目
そんななか、九州初出店となる新たな店舗がオープンした。ニューヨーク近代美術館、通称『モマ』の世界観を味わえる『モマ・デザインストア』。東京、大阪、京都に続く、国内4店舗目で、モマの担当者による厳しい審査を通過した、デザイン性の高い雑貨など800点以上が並ぶ。

「(店も)すごいお洒落で、お洒落な方たちがいっぱいいるなって」と訪れた買い物客も楽しそうに店内を歩いていた。

移転後の新卒採用 応募者数2倍に
一方で、開業当初の成約率が6割にとどまり、東京都心並みの高い賃料ということもあって先行きが不安視されていたのがオフィスフロアだ。

2025年5月に移転を完了した元『九電工』の『クラフティア』。開放感のあるオフィスだ。部署ごとの仕切りをなくした空間で、床には、陸上部を抱えることから競技場のトラックをデザイン。オンライン会議用のボックスも完備している。
「すごいカラフルで、視界でも仕事を楽しむことができる」(女性社員)。「やっぱりアクセスがいいので。こういったワクワクする職場で仕事させてもらえるのは嬉しいですね」(男性社員)。

社員が口を合わせて話すように、クラフティアによると、ワンビル移転後の新卒採用では、応募者数が2倍に増えたという。

オフィスフロアの成約率 9割超えに
そんなオフィスフロアで、大きな動きがあった。携帯電話大手のソフトバンクが、福岡市内3カ所に分かれていた拠点をワンビルに集結することが明らかになったのだ。オフィスフロアの成約率は9割を超えることになる。

西鉄の仲村隆・課長は「やっぱりビルの立地だったりとか、ビルのスペックだったりというのを評価頂いて、非常に多くの(引き合いの)声を頂いているという状況で、もうすぐ100%が見えてくるかな」と期待を寄せる。

天神地区のまちづくりに詳しい九州大学の黒瀬武史・教授は「ワンビルに実は、期待していたのは、地下も含めた“回遊性”、人が巡るっていうところをサポートして欲しいなと思っていて、そこはすごくうまくいってるかなと。一方で、例えば元々あった『天神コア』のような、若い人が気軽に買えるお店がたくさん入っているという状況ではない。天神がこれからどういう方をターゲットにして、どういう街を目指していくのか、そういうことをしっかりみんなで議論していく必要がある」と話す。

九州大学の黒瀬教授のいう回遊性については、再開発前に書店や飲食店などが並んでいたワンビル裏手の『因幡町通り』が今後、歩行者専用道路として生まれ変わり、共用開始となる予定だ。緑がたくさんあふれてカフェなどのテラスも並ぶということで、ここが完成すると、かつてのように回遊性が一気に上がるので、さらにワンビルへの来館者数も増えることが予想される。
(テレビ西日本)
