クマを含む野生鳥獣対策で、最近、注目されているのが狩猟免許などを持つ自治体職員「ガバメントハンター」です。長野県小諸市は2026年度、新たに1人を採用し、3人態勢で対応しています。

小諸市のガバメントハンター・児玉翔さん:
「(イノシシの足跡が)こう来て上がっていってますね」

やぶの中で野生動物の痕跡を確認する小諸市農林課の児玉翔さん(32)。

市の職員でありながら、狩猟免許を持ち、野生鳥獣の捕獲なども行う「ガバメントハンター」です。

小諸市のガバメントハンター・児玉翔さん:
「狩猟の知識も持っていますので、そこを元に迅速に市民の皆さんの課題に対応できるという意味で、ガバメントハンターという存在はすごく効果的」

2025年度、全国で相次いだクマによる人身被害。県内でも過去10年で最も多い16人が被害に遭い、1人が死亡しました。

2025年9月からは人の生活圏にクマやイノシシなどが出没した場合に、自治体の判断で猟銃を使った捕獲ができる「緊急銃猟制度」が始まりました。

これまで以上に自治体にも判断力や高い専門性が求められています。

そうした中、注目されているのが、「ガバメントハンター」です。

「ハンター目線」での罠の設置や、行政と猟友会の連携強化により、効果的な野生鳥獣対策を講じることができると期待されています。

小諸市は全国に先駆けて、2011年から「ガバメントハンター」を採用しています。

現在のメンバーは3人。わな猟と銃猟の2つの免許を持つ桜井優祐さん(41)とわな猟の免許を持つ佐藤勝弥さん(29)。

そして、2026年度から加わったのが、児玉さんです。

市内でパーソナルトレーナーとして働いていましたが、知人に勧められ、2024年、銃猟とわな猟の狩猟免許を取得。

地元の猟友会にも入り活動してきました。

「地元のために狩猟免許を生かせないか」と、4月から市の会計年度任用職員として農林課で勤務しています。

小諸市のガバメントハンター・桜井優祐さん:
「被害報告が重なるとどうしても対応が遅れてしまう場合もある。1人増えるだけでも初動対応力が変わる」

ハンターとしての知識や経験はありますが、動物の捕獲許可や国の補助金申請の手続きなど、行政ならではの事務作業も覚えなければいけません。

小諸市のガバメントハンター・桜井優祐さん:
「どの辺の地域で来ている?」

小諸市のガバメントハンター・児玉翔さん:
「この間は小諸市のに御牧ヶ原。そっちの方でシカの足跡がある。『畑のあぜを踏まれて、どうにかならないか」と対応の電話がきていた」

小諸市のガバメントハンター・桜井優祐さん:
「うまく地元のハンターさんと連携取りながら捕獲をすすめてもらえたらいいかな」

この日、児玉さんが訪れたのは赤坂地区の野菜畑。先輩の桜井さんと一緒に仕掛けた罠の見回りです。

こちらの畑には、3月、成獣のイノシシが出没。周辺の住宅地でも目撃されたということです。

足跡やフンなどからイノシシの通り道を予測し罠を仕掛けています。

小諸市のガバメントハンター・桜井優祐さん:
「(罠の)ワイヤーも隠すなりして」

小諸市のガバメントハンター・児玉翔さん:
「もう少し隠したりしてやってみます」

この日は、やぶの中にイノシシの足跡を発見し新たに罠を1つ設置しました。

近所の住民:
「すごく機転が利いて、すぐその場で確認してくれる。すごく安心している。行動力がある」

小諸市のガバメントハンター・桜井優祐さん:
「出没の状況を聞いて、そのうえで罠をかける場所を選定して、スムーズに設置まで至って。見ていて安心しながら見守った」

頼もしい新人が加わった小諸市のガバメントハンター。

児玉さんは、活動を通じて野生鳥獣対策や猟友会活動への関心も高めていきたいとしています。

小諸市のガバメントハンター・児玉翔さん:
「大きく言えば、ハンターさんの活動を広めていく。そうすると野生のシカ、イノシシ、クマの存在が近くなるかな、一般の方も。(猟友会など)ごく一部の人の対応の中で行われてきていて、関わりがなかったというのが大きいと思うので、僕はそこを開いていけるような活動や僕自身がそういうハンターになっていければいい」

長野放送
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