「ハラスメント」についてお伝えします。ハラスメントには例えば、パワハラやセクハラなどがありますが、こちら…カスタマーハラスメント、「カスハラ」についてお伝えします。
「カスハラ」とは、顧客や取引先による悪質なクレームや理不尽な要求で、従業員などが働きづらくなることを言います。

宮城県内でも、自治体の職員が個人の特定や、SNS上に無断で投稿されるのを防ぐために、身に着ける名札の表記を、名字のみにするなどカスハラ対策が進んでいますが、その動きは教育現場にも広がっています。

白石市教育委員会は今年度、保護者や地域の人からの暴言や、理不尽で過剰な要求から教職員を守ろうと、学校におけるカスハラ対策マニュアルを県内で初めて策定しました。

白石市内の学校では、今年度から教職員向けにカスハラ対策マニュアルに関する勉強会が行われています。
このマニュアルは、「理不尽で過剰な要求」についての対応が示されていて、この「理不尽で過剰な要求」は、「要求を実現するための手段や態様等が、園や学校の運営や社会通念上、不相当なもの」と定義しています。

保護者や地域の人への対応の基準が示された形となった今回のマニュアル策定について、教職員からは期待の声が聞かれました。

教職員は
「ひとりでどうなのかなと思いながら対応していた時も若い時はあったのでこういう基準ができたのはとても良い」
「ひとつ基準があることで良好な関係づくりが意識できるのでそこが良い」

白石市教育委員会の半沢芳典教育長です。市内の学校ではカスハラにあたる行為が確認されているといいます。

白石市教委 半沢芳典教育長
「感情がエスカレートして言葉がきつくなったり。やはり何でもありかと言われるとそれはちょっと違うだろうという思いはある」

ではマニュアルの内容を詳しくみていきます。
マニュアルでは、学校で想定されるカスハラについて、11の種類に整理し、それぞれについて対応例も示しています。

例えば「時間拘束型」です。電話で長時間対応を求める。校内に長時間滞在するなどが挙げられています。
対応例としては、「他の業務もございますので、何時まではお話を伺うことができます」と対応が可能な時間を30分を目安に設定して伝え、その時間を過ぎた場合は、「お時間になりました。他の業務がございますので失礼いたします」などと退去を促すとしています。

次に「暴言型」です。侮辱や差別的な言動、大声での威圧などをすることです。
こうした発言については、「そのような発言が続く場合、これ以上話し合いを継続できません。そのような発言はお控えください」などと話した上で、後で事実確認ができるように、「対応記録として録画、録音させていただきます」などと伝えるとしています。

続いては「脅迫型」です。「SNSに投稿する」「訴える」「家に訪問する」などと脅すことです。
教職員は「どうぞ、ご自由に」など挑発的に受け取られる発言はしないようにします。「○○さんのご判断なので何とも申し上げられません」などと伝えます。

他には…「暴力型」「謝罪要求型」、「過度な要求型」、「揚げ足取り型」、「リピート型」、「つきまとい型」などの種類に分類されています。
市教委は悪質な場合には、「警察や弁護士に相談するなど、組織として毅然と対応する」としています。

では、今回のマニュアル策定を保護者はどのように感じているのでしょうか。

4月18日、白石市内の中学校でPTA総会が開かれました。

校長
「保護者や地域の方からいただくご意見・ご要望は、学校教育の改善等において大変貴重なものです。しかし、近年、一部の保護者や地域の方からの、暴言や理不尽で過剰な要求等が、電話、あるいは直接来校して担任等に寄せられる事案が見受けられます」

集まった保護者に向けて、校長がカスハラ対策マニュアルの内容や策定の理由を説明しました。保護者はどう感じたのでしょうか。

保護者は
「そこまで厳しいことを言う保護者は少ないと思うが、こういう時代なので言葉尻とかそういう問題もあるでしょうから、こちらも気を付けたい」
「教員はすごくメンタル的なものが大変だと思う。やはり間に挟まれる立場で言うと、先生たちも働き方でとても苦労しているのではないか」
「向こう(学校側)からも言っていただけることは言っていただいて、こちらも恐縮しすぎないように、子供たちのためには思ったことはちゃんと意見できるようにしていきたい」

市教委は、学校に寄せられる意見や要望には、今後も真摯に耳を傾けるとしています。

白石市教委 半沢芳典教育長
「教職員の働く環境を今よりも一歩でも二歩でも前に進めていきたい。そして子供たちの教育により専念できるようにしていきたい」

保護者や地域の声は学校には必要なものですが、その伝え方や関わり方で教職員の負担が大きくなるのも事実です。その影響は、子供たちの学習や生活に直接、つながっていくので、子供たちのために、教職員と保護者、地域が良好な関係を築くことは、重要だと感じます。
このマニュアルがその一助になることが期待されます。

仙台放送
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