まだ4月だというのに、全国各地で25度を超える”夏日”が続いている。

環境省は4月22日から、「熱中症警戒アラート」と、重大な健康被害が生じる危険な暑さが予想されるときに発表される「特別警戒アラート」の運用を開始した。運用期間は10月21日までだ。

朝晩はまだ肌寒さを感じることもあるが、すでに熱中症対策が必要な季節に突入している。

■「GWに差し掛かるころ、気温がグンと高くなる」

気象予報士の片平敦さんは、「23日・24日は雨が降ることもあって気温は低め。しかしゴールデンウィークに差し掛かるころに気温がグンと高くなる見通しだ」と説明する。

さらに1カ月先、3カ月先の予想を見ても、いつもの年より高い気温が続く見込みで、「今年は”夏の訪れが早い”と思って、気持ちも早め早めに行動を」と呼びかけている。

「特別警戒アラート」の運用を開始
「特別警戒アラート」の運用を開始
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■4月1日〜20日で熱中症による救急搬送が4件

大阪市消防局で取材すると、この時期からすでに熱中症による救急要請が発生していることが分かった。

救急需要対策副課長の仲村伸介さんによると、4月1日から20日の間に、熱中症による救急搬送が4件あったとのこと。

仲村さんは「今の時期から、無理のない範囲で運動や入浴をするなどし、徐々に体を暑さに慣らしてもらえれば」と話している。

救急需要対策副課長の仲村伸介さん
救急需要対策副課長の仲村伸介さん

■西中アナ「余裕でいけるとなめてました」 消防隊員の暑熱順化訓練に密着

夏本番を前に、4月22日、消防署では”暑熱順化訓練”が行われていた。

消防隊員は夏の火災現場でも耐えられるよう、この時期から体を暑さに慣らすトレーニングを積んでいる。

「高校・大学とアメリカンフットボールをやっていたので、体力には自信があります」と意気込んだ西中蓮アナウンサーが、特別に訓練へ参加。

訓練の内容は3階までの階段を8往復するというものだが、4往復で早くも遅れをとる展開に。

終了後、西中アナは「正直、余裕でいけるとなめていました。皆さん、改めてすごいなと感じました」と消防隊員に脱帽だ。

東淀川消防署の安全管理担当司令・長船勇毅さんは「汗をかきやすくすることで、体の熱を外に出し、熱中症のリスクを下げる効果がある」と暑熱順化の効果について説明する。

訓練はおよそ20分が目安で、軽いウォーキングでも構わないということだ。

西中アナが消防隊員の暑熱順化訓練に参加
西中アナが消防隊員の暑熱順化訓練に参加

■「胸を痛めながら”駄目です”と指示」 大阪市の小学校に体育館クーラー導入

教育現場でも変化が起きている。

去年まで、大阪市立小学校の体育館にはクーラーがゼロだった。

暑さの指数が”危険レベル”に達すると屋外と体育館での運動が中止となり、子どもたちは休み時間を教室で過ごすよう指導されてきた。

市立天下茶屋小学校の池内亮教頭はこう振り返る。

「職員室の方に子供たちが熱い視線を……『遊んでいい?』っていう。私も胸を痛めながら『駄目です!』と指示を出していました」

今年度からはクーラーの設置が進められ、天下茶屋小学校の体育館に8台が導入された。

池内教頭は「今年は外で遊べなくても、体育館で過ごせるなと感じています」と話す。

大阪市の小学校に体育館クーラー導入
大阪市の小学校に体育館クーラー導入

■給食調理室にはクーラーがゼロ

一方で課題も残っている。

火を扱うため高温になる給食調理室には、市内の小・中学校全校でいまだクーラーがゼロなのだ。

現在あるのは冷風扇のみで、「本当にしんどい、暑い」という現場の声は深刻だ。

大阪市は導入を進めたいとしているが、今年度中に設置予定があるのはわずか18校。早急な対応が求められる。

給食調理室にはクーラーがゼロ
給食調理室にはクーラーがゼロ

■「汗びしょびしょ、激アツの日が多くなってくる」 企業の”酷暑対策”最前線

気象予報士の片平さんは「夏になるとどこかで40度以上になるんだ、ぐらいの心構えで行動していただきたい」と語る。

先週は最高気温40度以上の日の名称が「酷暑(こくしょ)日」に正式に決まった。

こうした状況を見据え、企業も新たな対策に動き出している。

「ワークマン」は先週、会場の温度を45度に設定した”過酷ファッションショー”を開催し、”着る暑熱対策ウェア”の新作を発表した。

ワークマン広報の小雀杏実さんによると、「暑さ対策の機能を16個以上つけた、ワークマンが独自開発した世界初の素材」とのことだ。

気温40度以上の環境でも、水で濡らすと体感温度を10度以上下げる効果が期待できるという。

30度に設定した室内で取材班が実際に着用してみたところ、「寒いです、もはや寒い」という声が上がるほどの冷却効果を体感。サーモグラフィーでは顔が35度を超える真っ赤な状態なのに対し、服の部分は20度ほどで真っ青に映し出された。

すでに店舗での販売も始まっており、売れ行きは好調だそうだ。

ワークマンが独自開発した世界初の素材
ワークマンが独自開発した世界初の素材

■「3分で、通常20分の休憩と同等の効果」 町工場が開発した”熱中症対策エアシャワー”

大阪・四條畷市に、食品工場の衛生管理機器などを製造する「三共空調」。従業員30人ほどの町工場だ。

この工場が開発したのが、その名も「取るねつ」。ホコリなどを取り除く”エアシャワー”を応用して作られた、熱中症対策専用の個室型装置だ。

中は冷房完備で、取材班が体験すると「めっちゃ風きました。これめちゃくちゃ涼しいですね」との声が上がった。

風速30メートル以上という豪快なパワーで、服にこもる熱や体表面の熱を一気に取り除くことができる。

開発責任者の湊川陽介さんは「3分使っていただくだけで、通常の休憩20分とっていただくのと同等の効果が得られる。建築現場での利用はもちろん、スポーツイベントや屋外イベントでの活躍も視野に入れています」と説明する。

「結構、暑がりな方」という三共空調工事グループの清野智彦さんが実際に3分間エアシャワーを浴びると、サーモグラフィー上で体が真っ青に変化した。清野さんは「一瞬で汗が引きました」と驚いた様子を見せた。

4月末から予約の受付を開始するということだ。

(関西テレビ「newsランナー」2026年4月22日放送)

町工場が開発した"熱中症対策エアシャワー"
町工場が開発した"熱中症対策エアシャワー"
関西テレビ
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