ランドセルは年々、進化して軽量化している。 カラーは分散傾向で、 性別を問わない「ジェンダーレスカラー」も人気を集めている。生地は財布や小物入れに再利用され、園児のものづくり体験としても注目だ。
進む軽量化...背中支える「NASAの技術」
長崎市の文房具店・石丸文行堂では、年間を通じて100種類のランドセルを取り扱っている。新作は春に続々と入荷していて、すでにランドセル商戦が始まっている。
トレンドは「軽さ」。軽量化は年々進化している。キッズフロア担当の三佐和智美さんによると、小さな体にも負担をかけないランドセルが人気だという。
NASAの技術が駆使され、背中と肩には、スペースシャトルにも使われている“特殊なクッション材”が採用されている。
打ち上げや大気圏突入の際の衝撃から宇宙飛行士を守るために開発されたクッションを使っているのだ。背中にすき間ができづらい作りで、子供たちが快適に背負うことができるという。
ランドセルが普及し始めた1950年代は今より小ぶりだったものの、牛革製が主流で、重さは1.6kg前後あった。
現在は概ね1.3kgまで軽量化され、1kgを切る商品も登場している。ランドセルの軽量化は、年々目を見張るものがある。
性別に関係ない「ジェンダーレスカラー」も
人気の色は、最近は「分散傾向」だ。
ランドセル工業会の調査によると、人気の色は女の子が紫やピンク・水色。男の子が黒や青と定番が上位に入ってくる。
最近は、性別を意識せず使える「ジェンダーレスカラー」を選ぶ人も増えているという。
キャメルやブルー、テラコッタピンク(赤でも茶系に寄っている色)も人気で、内側も外張りと同じ色を使っているため、男女問わず使えるカラー展開だ。
最近の色選びのポイントは「かわいらしすぎない」こと。
落ち着いたくすみカラーや光沢感を抑えた上品なメタリックカラーも支持を伸ばしていて、高学年になっても気兼ねなく使えると人気だ。
三佐和さんは、色々な店を巡って自分に合うランドセルをたくさん背負ってみることを勧めていて、「ラン活そのものを楽しんでほしい」と話す。
生地を捨てずに再利用の工夫
ランドセルを通した「サステナブル」な取り組みも注目されている。
「ララちゃんランドセル」では、2026年から子供たちを対象にした「ものづくり体験」を始めた。様々な色に触れて表現力などを養ってもらうことを目的としている。
地元の保育園児が挑戦したのは、オリジナルキーホルダーの製作。パーツに使われているのはランドセルの生地だ。
ランドセルは流行に合わせて毎年、色やデザインをリニューアルするため、多くの生地が廃棄されている。「ものづくり体験」では、生地を無駄なく活用することができるのだ。
体験では、50色のパーツから好きな色を選べる。園児たちは水色やオレンジ、紫やピンクなど、思い思いの組み合わせでカラフルなキーホルダーを完成させた。
保育士は「様々な色を自分で選ぶことが心の刺激になり、小さな部品を指先を使って作ることがよい経験になる」と話す。
ララちゃんランドセル長崎ショールームの杉本由美子さんは「色を選ぶ楽しさを大切にしながら物を大切にする気持ちが芽生えるよう、自己表現や思いを形にできる機会にしたい」と語る。
素材力で財布に名刺入れも
子供が6年間使うランドセル。長く使うため生地は品質が高く、軽くて丈夫で傷もつきにくい。この特徴を生かして、「通学用カバン」以外の用途も広がっている。
大人も使える小物の展開だ。ランドセルの生地を使った財布や名刺入れ、タブレットやパソコンのケースなどバリエーションも豊富。ショールームには海外からの観光客が訪れ、購入することも増えているという。
子供の通学かばんとして誕生したランドセルは、いま、機能やデザインだけでなく、あり方や活用方法も含めて、大きく進化し続けている。
(テレビ長崎)
