鹿児島市・清水小学校の夏の風物詩が、今年もスタートした。5月6日、桜島の小池海岸から磯海水浴場まで約4.2kmを泳ぐ伝統行事「錦江湾横断遠泳」に向けたプール開きが行われ、4年生から6年生42人が約2カ月半の練習へと踏み出した。「下の子たちが不安にならないように自分たちが頑張ろう」——頼もしい先輩たちの姿が、初参加の子どもたちを後押しする。

曇天の冷たいプール、それでも次々と飛び込む

6日のプール開きは曇天のもと行われた。水面を見るだけで冷たさが伝わってくるようなコンディションだったが、子どもたちは臆する様子もなくプールへと次々に入っていった。

最初に泳ぎ始めたのは、遠泳参加が3回目となるオレンジの帽子をかぶった児童たちだ。模範の泳ぎで25mプールを周回し、後輩たちに頼れる背中を見せた。3回目挑戦の児童は「きょうは、がぜん冷たく感じました。下の子たちが不安にならないように自分たちが頑張ろうと思います」と話した。経験を重ねるごとに、自分自身のためだけでなく仲間のために泳ぐという意識が育まれている様子がうかがえた。

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「さむい」「でも余裕でしょ」——初参加の4年生たちも25mを完泳

白い帽子をかぶった初参加の児童たちも、この日初めてプールに入った。不安を抱えながらも、初回から25mを泳ぎ切った。「さむい」と声を上げながらも、「でも余裕でしょ。楽しいからいけますね」と笑顔を見せる児童もいた。

初参加の中には、渡辺結花さんの姿もあった。「お父さんが会長で、お姉ちゃんも3年目の挑戦なので私も頑張りたい。海だと感じると波が来そうで怖いです」と話した渡辺さん。家族ぐるみで清水小学校の遠泳文化を支え、引き継いでいるのがわかる。

渡辺さんの父・渡辺裕司さんは清水小学校水泳同好会の会長を務める。「子どもたちも周りに支えられているということ、周りに感謝することをちゃんと考えて、この遠泳に取り組んでもらえればと思う」と、地域ぐるみで子どもたちを育てる遠泳の意義を語った。

6年生・山本さんの決意表明「みんなで4.2キロ泳ぎ切ろう」

プール開きでは、児童を代表して6年生の山本碧美さんが決意表明を行った。「最終的にみんなで4.2キロ泳ぎ切れるように日々頑張りましょう!」——力強い言葉が、42人の仲間たちへのエールとなった。

錦江湾横断遠泳は、桜島の小池海岸から磯海水浴場までの約4.2kmを横断するという、小学生にとって決して容易ではない挑戦だ。清水小学校の子どもたちは毎年この夏の行事に挑み、地域に根づいた伝統として受け継がれてきた。

本番は7月21日——約2カ月半の練習へ

42人の児童たちは、7月21日の本番に向けて約2カ月半の練習を積んでいく。初参加の子どもたちにとっては、まず水の冷たさや泳ぎの感覚に慣れることが第一歩だ。経験者たちはその模範を示しながら、チーム全体を引き上げていく役割を担う。

地域の大人たちが子どもたちを支え、先輩が後輩の背中を押し、家族がその挑戦を見守る。錦江湾横断遠泳は単なる水泳の記録挑戦ではなく、鹿児島・清水地域のコミュニティが一体となって育む行事でもある。曇天のプールで始まったこの挑戦が、7月の本番で大きな達成感へと結実することを期待したい。

【動画で見る▶「みんなで泳ぎ切ろう!」恒例の錦江湾横断遠泳は7月21日! 鹿児島市・清水小で練習スタート 】

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