いま福岡で、ドッグセラピーが静かな広がりを見せている。「いい子だね~」「お利口さんね~、可愛いね~」。犬と触れ合い、思わず笑顔が零れる。可愛い犬たちが与えてくれる特別な時間を取材した。

笑顔を引き出し 癒やしを提供 セラピー犬

福岡・鞍手町にある『カタノダプラス』。早速、たくさんの犬たちが出迎えてくれた。

『カタノダプラス』(福岡・鞍手町)
『カタノダプラス』(福岡・鞍手町)
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「うちは、施設を訪問したりとか、学校や病院などにも行ったりしているセラピー犬もいるカフェです」と話すのは、カタノダプラスの野田久仁子さん。カタノダプラスでは、常時4~5種類の犬と触れ合うことが可能だ。

セラピー犬と一般的な犬との違いを野田さんに尋ねると「例えば、ワンちゃんの足先は敏感なので、ゆっくり触ってあげて『人間の手は怖くないよ』と教えてあげている」と犬を仰向けにして実践してみせた。野田さんによるとセラピー犬とは、基本的な訓練を受けていて、誰に触られても嫌がらずに、性格が穏やかで人懐っこいのが特徴だという。

人懐っこいのが特徴のセラピー犬
人懐っこいのが特徴のセラピー犬

犬を介して生まれるコミュニケーション

ドッグセラピー活動は、いま少しずつ広がりを見せていて、カタノダプラスでは病院や学校など、年間50件以上の施設を訪問している。

福岡・直方市の『五月園デイサービスセンター』。施設では2026年からドッグセラピーを依頼しているという。利用者は、この日を待ち侘びていたようで、満面の笑みで犬との触れ合いを満喫していた。

『五月園デイサービスセンター』(福岡・直方市)
『五月園デイサービスセンター』(福岡・直方市)

施設の坂田有希子・所長は「もともと利用者同士では、そこまで話しをすることがなかったけど、ドッグセラピーのときは普段、全然、話しをしない人とも言葉数が増えるなど、自然にしている」と利用者の変化を口にする。

ドッグセラピーで癒されている利用者の多くは、かつて犬を飼ったことがある人たち。いまも犬への愛情は深いが「飼いたい気持ちはあるけど、自分の体がかなわないから」(利用者Aさん)。「年を取ったら散歩とかがですね」(利用者Bさん)。「この年齢だと犬の方が長生きするから」(利用者Cさん)と年齢とのハードルで、犬を飼うことを諦めている人が殆ど。

その悩みを解決するためカタノダプラスでは、新たなサービスを始めていた。訓練したセラピー犬を譲るサービスだ。

万が一のアフターケアまで徹底

カタノダプラスからの紹介で、4年前から犬を飼い始めたという栗田ひとみさん。部屋にいたのはフレンチブルドッグのハラミくん、5歳。ハラミくんは、飼い主の栗田さんが62才の時に迎えた犬だ。

「もう夫婦2人でしょ。だから会話があんまりないんですよ。このハラミが来てからは会話も増えましたし、癒やされますし、いいことだらけ」と話す栗田さん。会話以外にも犬の世話をする役割も増え、生活が充実しているという。

そして犬を迎え入れるにはもうひとつ、大きな決め手があったと話す。それは、もし栗田さんが長期入院などすれば、カタノダプラスが預かって、里親を探してくれるということ。「だから安心です」と栗田さん。万が一のアフターケアまで徹底しているのだ。

さまざまな施設を訪問するだけでなく、飼いたくても飼えない人にアフターサービス付きでセラピー犬を販売するサービス。犬種に限らず8万円ほどから譲渡しているという。

カタノダプラスの野田さんは「まだまだセラピードッグの認知度は低いので、もっと犬と一緒に過ごしたいと思う方に犬を届けたいので地道に活動していきます」と話していた。

(テレビ西日本)

テレビ西日本
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