ゴールデンウィーク後半、鹿児島市内外の各スポットが家族連れや観光客でにぎわった。「ジンベエザメ!大きい!」と目を輝かせる子どもたちの声が響くかごしま水族館、世界にひとつだけの絵本が完成するワークショップ、そして「スーパーで売っているタマネギよりおいしいと思う」と収穫の喜びを語る子どもたちの姿。鹿児島の各地で、連休ならではの体験と笑顔があふれた1日となった。
「120席が満席」かごしま水族館、5日間で3万3000人を見込む
鹿児島市のかごしま水族館では、午前9時の開館と同時に多くの家族連れや観光客が押し寄せ、青の世界を存分に堪能した。
屋外には海の生き物に直接触れられるコーナーも設けられ、子どもたちがナマコやヒトデの感触を楽しんだ。「きもちいいー!」「こいつヌルヌルする!」と、生き物との触れ合いに大興奮の様子だった。

水族館内の展示だけでなく、グルメも大きな人気を集めた。レストラン「水族館の果実堂」は午前11時のオープンと同時に約120席が満席となり、オープン前からすでに長蛇の列ができていた。メニューは手仕込みのハンバーグやカレー、オムライスのほか、スイーツも充実している。

鶴丸彩店長は「GW期間はひたすらスロープのところまで並んでいただいている状態」と話す。スイーツについては「動物や海をイメージしたもの、水族館のお魚をイメージしたものも提供させていただいている」と説明した。

福岡から訪れた来場者は「ここの水族館に来たのは27年ぶり。中学校の修学旅行で来た」と懐かしそうに語り、熊本から初めて訪れた子どもは、楽しかったこととして「お土産屋さん」を真っ先に挙げた。

かごしま水族館はGW期間中、営業時間を延長して対応しており、5月2日から6日までの5日間で約3万3000人の人出を見込んでいる。
「世界にひとつだけの本」 かごしまメルヘン館でブックマルシェと絵本ワークショップ
鹿児島市のかごしま近代文学館・かごしまメルヘン館でも、本にちなんだイベントが開催された。

エントランスホールを中心に開かれたのは、自宅にある古本や本に関する雑貨などを持ち寄るフリーマーケット「ブックマルシェ」だ。2009年から続くゴールデンウィークの恒例イベントで、今年も漫画や単行本からマニアックな本まで、11組の出店者が様々なジャンルの本や雑貨を並べた。訪れた人たちはそれぞれお気に入りの1冊を手に取りながら、掘り出し物探しを楽しんでいた。

地下のメルヘンホールでは、子どもたちが「木から生まれるものがたり」と名付けられた小さな絵本作りのワークショップに挑戦した。漢字の「木」を幹に見立てて思い思いの木を描き、1冊の絵本に仕上げるという内容で、クレヨンや色鉛筆を使って子どもたちがカラフルな木を次々と描いていった。
約1時間で、ひとつとして同じものはない、世界にひとつだけのオリジナル絵本が完成した。

参加した子どもたちは、完成した作品についてそれぞれ誇らしげに語ってくれた。「好きなものが咲いている木。これはゲーム」「描くところが大変だったけど楽しかった。いろんなものを見てきたり、食べてきたものを考えて描いた」「『木』の漢字の木に『木』の漢字の実がくっついていて、風で飛ばされてしまって、最終的に折れてしまうという話を描いた」と、それぞれ独自のストーリーが込められていた。

子どもの参加を見守った保護者も「世界にひとつだけの本なので、すごくいい経験になった。本当に充実した日になったと思う」と目を細めた。

「スーパーより美味しい」 グリーンファームでトラクター運転と旬野菜の収穫体験
鹿児島市喜入一倉町のグリーンファームでは、「こどもまつり」が開催された。GW後半の5月4日、県本土では風がやや強かったものの大きな天気の崩れはなく、多くの家族連れが自然の中でのひとときを楽しんだ。
目玉のひとつはトラクターの運転体験だ。円を描きながらゆっくりと進むトラクターに乗り込んだ子どもたちは、緊張した表情を見せながらも、保護者に向かって元気よく手を振っていた。3歳の子どもは「かっこよかった。トラクターが好き」と満面の笑みで話し、8歳の子どもは「最初はどきどきしたけど、やってみて楽しかった」と振り返った。

また、ソラマメやタマネギといった旬の野菜の収穫体験も行われた。子どもたちは約300株のソラマメの中から、より大きなサヤを選んで丁寧に収穫していった。11歳の子どもは「意外と簡単だった。ご飯に混ぜてソラマメご飯を食べたい」と、収穫後の食べ方まで思い描いていた。

タマネギ畑では、地表に飛び出た部分を手がかりにできるだけ大きなものを選びながら収穫。9歳の子どもは「スーパーで売っているタマネギよりおいしいと思う」と自分で収穫した野菜への自信をのぞかせ、6歳の子どもは「大きいのは重かったけど、大きいのが抜けるのが楽しかった」と笑顔で話した。11歳の子どもは「カレーで食べたい」と、すでに夕食の献立を決めている様子だった。

「みどりの日」にふさわしく、子どもたちはそれぞれ工夫しながら自然と向き合い、土や野菜の手触りを全身で感じる体験となった。
鹿児島市の水族館から文学館、郊外の農場まで、それぞれの場所で子どもたちが「初めて」や「本物」と出会ったゴールデンウィーク。地域に根ざしたイベントや施設が、家族の記憶に残る1日を演出した。
【動画で見る▶かごしま水族館、GW5日間で3万3000人を見込む 家族連れや観光客でにぎわう 】
