刑事裁判のやり直し=再審制度の見直しを巡り、再審開始決定に対する検察の抗告を認めるか否か、政府と与党の議論が紛糾しています。

これまで3度の再審開始決定を抗告によって覆されてきた大崎事件の弁護団は「抗告は制度の欠陥」と制度改正への思いを語りました。

12日、鹿児島市で開かれた大崎事件のセミナー。

市民ら約20人が訪れ、事件の現状に耳を傾けていました。

大崎事件弁護団・泉武臣事務局長
「この事件に関わってもう20年目ぐらいになるんですけど、こんなに救えない時間が長くかかっているんだなと本当に実感します」

1979年、大崎町の牛小屋の堆肥の中から中村邦夫さんが遺体で発見された大崎事件。

殺人罪などで服役した原口アヤ子さんは一貫して無実を訴え、弁護団は2026年、5回目の再審請求を行いました。

大崎事件弁護団・泉武臣事務局長
「検察官の不服申し立てが元々禁止されていたら、2002年にはもう無罪になっていた。検察官が不服申し立を認めないという改正をしないとだめなんです」

この再審制度の見直しに関する議論が熱を帯びています。

自民党・稲田朋美議員
「(議論が)平行線ではないんですよ。」

これは4月6日、自民党で行われた会議の一幕です。

政府の見直し案に紛糾する理由は、裁判所が出した再審開始決定に対する検察の不服申し立て=抗告についてです。

現在の法律では裁判所が再審を認めた場合、検察は抗告が可能でその後、上級審で審理が続きます。

静岡一家4人殺害事件では、検察の抗告により、再審での無罪の確定まで10年以上かかり、冤罪の救済が遅れる要因と非難されています。

見直し案は当初、この抗告を容認していましたが、自民党内からは批判が相次ぎ、政府は修正案を提示する方針です。

大崎事件もこれまでに3度開始決定が出されたものの、検察の抗告により、覆されてきました。

再審制度を巡る動きに、弁護団の泉事務局長は期待を口にします。

大崎事件弁護団・泉武臣事務局長
「アヤ子さん今年で99歳になりますので本当に時間の余裕がない。鹿児島地裁で再審開始決定を得て検察官の不服申し立て禁止を確定して一気に最終公判まで行きたいという思いなので、ぜひご注視していただけたら」

関係者によりますと、政府は修正案を14日、自民党に提示する方針でその内容が注目されます。

鹿児島テレビ
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