焼酎を「出汁」で割る、その名も「出汁焼酎」。鹿児島が誇る二大特産品を組み合わせた、これまでにありそうでなかった飲み方が誕生した。「まず鹿児島の中で『出汁焼酎』という言葉を普及させたい」——そんな思いを込めたレシピ発表会が、鹿児島市で開かれた。
出汁も焼酎も、鹿児島が誇る特産品
鹿児島といえば焼酎。お湯割り、水割りと、親しまれてきた飲み方は数あれど、今回提案されたのは、県産食材から取った「出汁」で焼酎を割るという、まったく新しいスタイルだ。
このユニークな試みを企画したのは、「出汁の王国・鹿児島プロジェクト」。鹿児島はかつお節をはじめ、出汁の素材となる食材が豊富に生産されている土地柄だ。こうした鹿児島ならではの出汁文化を、県の内外へ発信することを目的に、出汁に関連する企業や有識者が集まって設立された団体である。

今回の発表会では、同じ鹿児島の特産品を手がける焼酎メーカーとタッグを組み、約1年の歳月をかけて開発した6つの「出汁焼酎」レシピがお披露目された。
個性豊かな6つのレシピ
発表されたレシピの中でも、とりわけ目を引く2品を紹介しよう。
ひとつ目は「海老之方」。濃厚な旨味で知られる芋焼酎「南之方」を、阿久根産のエビから取った出汁で割り、黒酢ポン酢を加えた一杯だ。温かみのある味わいに仕上がっており、食前酒としてもおすすめとのこと。エビの出汁がもたらす豊かな風味と、芋焼酎ならではのコクが重なり合う、贅沢な組み合わせである。

ふたつ目は「アヤトリス」。フルーティーな香りが特徴の芋焼酎「彩響」に、鶏飯に使われる鶏ガラスープと黒酢ドリンクを合わせた一杯だ。一見すると意外性のある組み合わせながら、軽い飲み口が特徴で、すんなりと口に馴染むという。焼酎と鶏ガラスープという、普段なら交わることのない素材が、ひとつのグラスの中で調和を生み出している。

「自分だけの出汁焼酎を」地域への広がりに期待
プロジェクト実行委員の中原晋司さんは、今回の取り組みへの思いをこう語る。
「出汁も焼酎も鹿児島の特産品で、それぞれ良いところがあるので。まず鹿児島の中で『出汁焼酎』という言葉を普及させて、いろんな人が自分の『出汁焼酎』を表現して飲食店でも使って欲しい」

この言葉が示すように、今回のプロジェクトは単なる新商品の発表にとどまらない。レシピをひとつの「たたき台」として、飲食店や家庭それぞれが自分なりの出汁焼酎を生み出していく——そんな文化の醸成を目指している。地域の食材と伝統の酒が交わることで、鹿児島の食文化がさらに豊かになる可能性を秘めた取り組みだといえる。
レシピはSNSで公開予定
今回発表された6つのレシピは、「出汁の王国・鹿児島プロジェクト」の公式SNSで今後公開される予定とのこと。実際に自宅で試してみることで、出汁焼酎の多彩な表情を体感できるだろう。
焼酎の新たな楽しみ方として「出汁割り」という選択肢が加わることで、鹿児島の食卓や飲食店の風景が少しずつ変わっていくかもしれない。
【動画で見る▶出汁で割る「焼酎」ブーム到来? 鹿児島の新レシピ6種を発表へ、海老や鶏だしで試す飲み方】
