名古屋市守山区に2026年4月、市内では11年ぶりの新設中学校が開校しました。都心より手頃な地価を背景に、「志段味地区」には子育て世代の流入が続いていますが、交通インフラの整備などの課題もあるようです。
■少子化進む中…志段味地区の人口は30年間で“3倍”に
4月に開校した守山区の「上志段味中学校」。8日に入学式が開かれ、真新しい制服に身を包み緊張した面持ちの新1年生が、新しい学び舎の門をくぐりました。

新入生ら:
「嬉しい気持ちと不安な気持ちが混ざっている」
「新しい中学校なのでドキドキするんですけど、新しいクラスで先生も面白そうなので楽しみです」
保護者:
「建物が建っていく姿を時々見ていて、期待以上の校舎でした。ちょっとうらやましい」

テラスを眺めながら読書に集中できる図書館に、大きな窓ガラスで開放的な教室。廊下にはラウンジや自習スペースも設置され、学年関係なく生徒が交流できます。

しかしなぜ、守山区で「新設校」が作られたのでしょうか。
守山区の北側に位置する志段味地区は、この30年間で人口が3倍に増加しました。

このため、志段味中学校の生徒数が1000人を超える見通しになったことから、校区を分割して上志段味中学校が新設されました。4月から、新入生含む462人が通います。
名古屋市内で中学校が新設されたのは、同じ志段味地区の吉根中学校以来“11年ぶり”です。
見学に来た住民:
「5年前くらいに引っ越してきました。中学校や小学校が新しくできるって、なかなか少子化の時代にないことだと思うので、新しい所だと子供も通うのが楽しみになる」
「自分が小学生の頃から志段味なので、その頃と比べると本当にお家が増えてきた。緑が多くて、子供たちが走り回れるような広場がすごくあるのが魅力的だと思っています」
■名古屋に近くて価格もお手頃…「子育て世帯」に人気に
志段味地区で人口が増えている理由について、地元の不動産業者に話を聞きました。
しだみ住宅の市川敦久社長:
「区画整理によって、昔あった田んぼや山林が宅地になっている」
1983年から、名古屋市による区画整理事業が進められた「志段味地区」。名古屋の中心部に近い方から山や田んぼなどを宅地に開発していき、住宅の建設も進められました。

市川社長:
「昨今、住宅を買うにも価格高騰しているんですけど、一般の方が買いやすい価格帯になっている。名古屋の中心街よりも土地が安価なので」
志段味地区の1坪当たり価格は40〜50万円と、名古屋の都心に比べると半分以下とお手頃で、マイホームに戸建てを選ぶ子育て世帯を中心に人口が増えていったといいます。
2021年、名古屋で初めてコストコが出店したのも志段味地区です。

他にも、幹線道路沿いには商業施設や飲食店が立ち並ぶなど、子育て世帯にとって過ごしやすい街へと生まれ変わっています。
■大曽根と結ぶ「ゆとりーとライン」混雑が問題に…
志段味地区には元々地下鉄が通っておらず、名古屋の都心と結ぶ幹線道路も1本しかありません。

さらに、庄内川を挟んだ対岸の春日井市と結ぶ橋も、春日井市側の事情で完成の見通しが立っておらず、交通インフラの整備は長年の課題です。
市川社長:
「インフラ整備や街づくり、われわれ商工業者が住人と一体となって街をつくっていく必要があると思います。子供が元気に明るく過ごせる街になってほしい」
また、大曽根と春日井市の高蔵寺を結ぶ「ゆとりーとライン」でも課題が。ゆとりーとラインは普通のバスのように見えますが、ハンドルを操作しなくても走行できる「ガイドウェイバス」です。

開業したのは2001年で、25周年を迎えましたが、利用者の増加で混雑が問題となっています。
朝のラッシュ時は2~5分の間隔で運行していますが、途中の駅では乗車できずに次のバスを待つということも。混雑緩和のためには車両を増やしたいものの、国内で唯一のシステムのため部品などが作れず、新たな車両を作ることができないということです。
そのため、レールをなくして自動運転のバスを走らせる案も検討されています。
