静岡県内でも後を絶たない特殊詐欺被害。その多くが海外に拠点を置くグループによる犯行と見られている。今回、テレビ静岡ではカンボジアにある詐欺拠点の内部取材を許された。ここでは警察署や銀行そっくりに作られた部屋のほか、県民を狙った痕跡も見つかっている。

国境に潜む詐欺の“要塞”

カンボジアには各地に特殊詐欺の拠点が点在し、日本を含む世界各国を標的に犯罪が行われていると見られている。

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今回、テレビ静岡の記者はタイ軍が企画したメディアツアーの一環として、同国とカンボジアの国境地帯にある特殊詐欺拠点の内部取材が許可された。

訪れたのはカンボジア北西部に位置するオスマック。

多くの詐欺グループが活動していたとされる地域だ。

この地域は元々カンボジア軍の支配下にあったが、2025年に起きた軍事衝突の際にタイ軍が掌握し、現在も実効支配を続けている。

内部に残る“生々しい”生活感

高い塀に囲われた建物。

上部には有刺鉄線が張り巡らされている。

室内に入ってみるとタイ軍の攻撃を受けたことで床にはガラスやガレキが散乱しているものの、“かけ子”の作業場と見られる部屋にはキーボードなどが放置されていた。

別の場所に目を向けてみると、大量のドル紙幣も確認できる。

ただ、これが本物なのかはわからない。

また、“かけ子”たちが直前まで住んでいたと見られる居住スペースにはインスタントラーメンの箱が大量に残されていた。

施設の中には厨房のような場所もあり、多くのテーブルや椅子が置かれた食堂とみられる場所も存在するなど、かなり大規模だったことがうかがえる。

“偽”警察に“偽”銀行 巧妙な詐欺劇場

中でもひときわ目立っていたのが警察署に見せかけたセットだ。

壁には“捜査機関”としての心構えまで掲げられている。

中国やブラジル、インドネシアといった7つの国の警察施設を似せて作られた部屋があり、そこには“偽”の制服や備品もあった。

さらに、銀行のカウンターを模したセットが並ぶ部屋もあるなど、ビデオ通話の際、ターゲットを信じ込ませるために用意されたと見られている。

静岡も標的に?国際化する特殊詐欺

日本も詐欺グループに狙われていた形跡があり、氏名や住所、銀行口座の残高など日本人の個人情報が記された書類やマニュアルのような資料も大量に見つかった。

その中には「静岡県」の文字も確認でき、本県の県民も標的になっていた可能性がある。

タイ軍によると、これらの拠点で中国人やインドネシア人など約1万人が特殊詐欺などを行っていたという。

一方で、今のところ日本人がいたのかについてはわかっていないが、国際化する詐欺グループの魔の手が県内にも及んでいることが明らかになった。

タイ空軍のソーンジャイディー大将は「特殊詐欺拠点は世界的な脅威。根絶に向けて関係国が連携して対策を行う必要がある」と強調する。

タイ空軍・ソーンジャイディー大将
タイ空軍・ソーンジャイディー大将

巧妙化する詐欺の手口。

特殊詐欺の被害をこれ以上増やさないためにも実効性のある対策が求められている。

テレビ静岡
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