アメリカなどによるイランへの軍事攻撃の影響は原油を輸入に頼る日本の暮らしを直撃しています。
燃料はもちろん北海道のさまざまな分野に影響が広がり始めていました。
「(Q以前より物価は?)いやぁ比べ物になりませんよね」
「『苦しいですよね』ぐらいしか言いようがないけどね…」(いずれも買い物客)
思わず嘆きたくなるような値上げのラッシュ。
4月から値段が上がった飲食料品は2798品目に上り、原油価格高騰の影響もジワジワと出始めているようです。
「今の状況というのは全く予想してなかった状況で、先行きがどうなっていくかっていうのが非常に二転三転している状況で(価格決定の)判断がなかなか難しい」(キテネ食品館 中塚誠社長)
この店では0.9リットルの食用油を299円(税抜き)で販売していますが、15円から30円ほど高くなる可能性があるということです。
国内外の経済の動きに詳しい専門家は、今後は魚も値上がりすると話します。
「お魚の値段が特に連動して上がりやすい傾向があるようにみられる」
「一番上がるのはマグロ。日本から離れたところまで行って取る。そこで燃料費がかさんでしまうので、マグロの小売価格も連動して上がる」(第一ライフ資産運用経済研究所 熊野英生さん)
大粒な身が詰まったホタテ。
根室市では先週からホタテの水揚げが始まり港は活気づいていますが…
「油を使わないように機械のエンジンの回転数を下げて走っている。燃料をあまり使わないようにおいしいホタテを届けられれば」(漁師)
アメリカとイスラエルが核問題をめぐりイランを攻撃し、イランはホルムズ海峡を事実上封鎖。
日本に運ばれる原油の約9割がホルムズ海峡を通っていて、封鎖が長引けば経済的な影響は図り知れません。
メンチカツがこんがりとキツネ色にあがりました。
札幌市豊平区の弁当製造・販売会社では、コメや鶏肉など食材の価格高騰に悩まされてきましたが、すでに食用油の値上がりに直面していました。
「(油の仕入れ値は)3、4年前から比べると1.5倍ぐらいに上がっているのではないだろうか」(Harapeco 須藤誠さん)
ホルムズ海峡封鎖の影響はほかにも…
「6、7種類は常時用意している。少しずつ(容器の)値段が上がっているが業者から『(価格が)1.5倍・2倍にいつなるか分からない』と言われビクビクして待っている」(須藤さん)
石油でつくられたプラスチック製の容器は3月の仕入れ値が約40万円。
ここ2年ほどで約1.5倍に跳ね上がったといいます。
「配送する車のガソリン代も含めて容器の値上げ、コメの値上げとなると(弁当の)売価は1.5倍ぐらいになってくるのではないか。そうしなければやはりうちも残っていけない」(須藤さん)
中東情勢の悪化は医療の現場にも影響を与えていました。
「(ロシアのウクライナ侵攻で)すでに風邪薬などの供給が滞っている。小さい子にも影響はかなり出ている状況。「(中東情勢の悪化で)さらに拍車がかかることを懸念している」(アスティ45薬局 佐藤礼欧さん)
プラスチックなどの原料になる石油製品のナフサ。
原油が不足すればナフサの供給が不安定になります。
「ナフサ不足による薬を包むプラスチック袋や軟こうの容器の供給が滞りかなり影響してくるのではないか」(佐藤さん)
ホルムズ海峡封鎖の影響はどこまで続くのか?専門家は…
「われわれの生活の隅々まで原油由来の商品がある。シャンプー、化粧品も石油由来。あとは洗剤、コンタクトレンズ。プラスチックや化学製品はこれから3か月、半年、年末ぐらいにかけては物価上昇を覚悟しないといけないのではないか」(熊野さん)
今後、値上がりが予想される主な食材としては、魚介類、納豆、小麦などがありますが、この製品自体が値上がりという訳ではありません。
魚介類は船の燃料代が高騰しており、納豆は原料の大豆価格の高騰に加え、プラスチック製の容器やフィルムのコストも上昇しています。また、小麦に関しては、石油由来の化学肥料の価格が上がっていることが影響しています。
つまり原油は日々の生活に密着しています。
日本は食料品のほとんどを輸入に頼っているため、一度上昇した価格はなかなか元に戻らない傾向があります。これらを考慮すると、私たちの生活に今後大きな影響が出てきそうです。