島根・松江市で3月27日、起業家と投資家をつなぐマッチングイベントが開かれ、全国各地から約700人が参加しました。
こうしたイベントは地方でも開かれていますが、参加者700人は異例の規模。
なぜ松江に集まったのでしょうか?
松江市で3月27日に開かれた「ごうぎんスタートアップフェス2026」。
松江市に本店を置く山陰合同銀行が2025年に初めて開催、山陰の企業とのマッチングを通じて新規事業のチャンスを広げるなど、設立されたばかりの「スタートアップ企業」の支援につなげるのが目的です。
地元・山陰だけでなく、全国各地のスタートアップ企業や国内有数のベンチャーキャピタル、投資家の代表などが参加し、その数は700人以上。
地方で開催されるこうしたイベントでは類を見ない規模だといいます。
会場では至るところで名刺交換。
新たなビジネスチャンスをつかもうという異様なほどの熱気に包まれていました。
株式会社THA・西山朝子社長:
「東京って毎日あるんですよ、こういうのが。多分、松江市でやるのって年に1回とかじゃないですか。なので、集まってる人の”熱量”が1年分集まっているので、“来応え”がすごくある」
この「熱」こそがスタートアップ先進地の首都圏からでも、わざわざ松江に足を運ぶ理由だといいます。
中でもにぎわったのが「縁結び」ブース。
参加者をつなぐマッチングのコーナー。
話を聞きたい参加企業の代表や幹部を電話で呼び出します。
かなりアナログな手法ですが、決定権を持つトップ同士、即断即決でスムーズに話が進みます。
建設業・株式会社ウエヤマ(島根県)・上山剛常務取締役:
「地方にいますと、東京の、首都圏の進んだ情報が入ってこないので、そういった情報が少しでも手に入るかなと思い、参加いたしました」
建設業向け商品開発
ONESTRUCTION(鳥取県)・藤山祥紀さん:
「いろんな方が参加されていて、あたかも東京にいるかのような感覚でした。東京の会社ともいっぱい出合うことができましたので、本当に次につながるような良い機会だったと思います」
フェスの熱量は、山陰の企業にとっても大きな刺激になっていました。
こうした取り組みは新たな事業につながっています。
その一つが、松江市の住宅メーカーが公開したモデルハウス。
家電などをインターネットにつなぎ、自動制御や遠隔操作ができる「スマートホーム」です。
制御システムで協力したのは、鳥取市出身の男性がアメリカ・シリコンバレーで創業したIT企業。
両者をつないだのは2025年に開かれたこのフェスでした。
一方、投資する側もこうしたイベントに期待を寄せます。
セミナーに登壇したのは、国内有数のベンチャーキャピタル「アンリ」の佐俣アンリ社長。
高いリターンを目指し、成長性が期待される新規事業を探す投資家にとって、こうしたイベントは地方の“掘り出し物”、魅力的な企業が眠る“宝の山”です。
アンリ・佐俣アンリ社長:
「ものすごくおもしろいことだと思っていて。地方ですごく若い有志の人たちが、何かいろんな新しい取り組みをすることが、全国で同時で出てきてるんですよね。そういった会社に投資し、応援させてもらったら結構うれしい」
イベントの締めくくりは、スタートアップ企業による事業のプレゼンコンテスト。
審査員を前に自社の事業をPRしました。
松江市・上定市長:
「山陰がスタートアップの聖地になるというようなことも、訴求できていくといいなと思っております」
山陰合同銀行・吉川浩頭取:
「10年スパンで企業創業の機運が高まったり、そのような機運がそこかしこで、この山陰の地から生まれてほしい。我々はそのお手伝いをしていって、山陰を活性化していきたい」
起業の熱を地方にも…
全国、そして世界と渡り合う新たな力が山陰から生まれるのか。
先を行く企業や行政の“丹精込めた”世話があれば、今回まかれた種が立派に芽吹くことができそうです。