3月28日、鹿児島県日置市でエアギター日本選手権の決勝大会が開催され、フィンランドで行われる世界大会への切符をかけた熱い戦いが繰り広げられた。膝立ちでのヘッドバンキング、寝たままかき鳴らすエアギター、そして過去3度の世界王者が見せた圧巻のイナバウアー――会場を埋めた観客を沸かせたのは、楽器を一切持たないパフォーマーたちの、想像をはるかに超えたエネルギーだった。

全国の強豪が集結した決勝の舞台

エアギターとは、リズムに合わせて体や手を動かし、まるで本当にギターを弾いているかのようなパフォーマンスを行うエンターテインメントだ。その発祥の地はフィンランドであり、毎年8月に世界選手権が開催されている。

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今回の日置市大会は、その世界の舞台への出場権をかけた日本選手権の決勝。全国各地の地区大会を勝ち抜いた強豪エアギタリストたちが一堂に集まった。会場の熱気は開幕前からすでに満ちあふれており、出場者の一人は取材にこう意気込んだ。

「手の動きだな。こいつら全員ぶっ倒してフィンランド行って、実力見せつけたい」

即興性が試されるファイナルラウンド

大会はファーストラウンドとファイナルラウンドの2段構成で行われた。ファーストラウンドでは、各出場者が自分で選んだ曲でパフォーマンスを披露。上位7名がファイナルラウンドへと進んだ。

ファイナルラウンドで使用されるのは、日本エアギター協会が指定した一曲だ。出場者全員が初めて耳にする曲であり、表現力だけでなく即興性も厳しく問われる。準備してきたパフォーマンスをただ再現するだけでは勝てない、まさにアドリブ勝負の世界だ。

ステージでは、膝立ちでのヘッドバンキングや、寝転がったままギターをかき鳴らすダイナミックな演技が次々と披露された。パフォーマンス中にTシャツを脱ぎ捨てる出場者もおり、会場は「ウェーーーーーーイ!」という声援に包まれた。

地元・日置市の中学生も堂々参戦

ファイナルラウンドには、地元・日置市に住む中学生のケンセイさんも登場した。全身を激しく揺さぶる情熱的なパフォーマンスで観客を沸かせ、地域の期待を一身に背負って奮闘した。

地元の若き挑戦者の姿は、エアギターが特定の世代やコミュニティに限らず、日置市という地域に根ざしたカルチャーとして広がっていることを感じさせた。

圧巻の3度目戴冠――Seven Seasさんが王者に

そのような激戦を制し、日本チャンピオンの座に輝いたのが、Seven Seasさんだ。これまでに世界選手権で3度の王者に輝いてきた実力者が、今大会でも圧倒的なパフォーマンスを見せつけた。

髪を大きく揺らすヘッドバンキング、首を横に激しく振りながら決めるイナバウアー。最後の一音まで迫力に満ちたステージで、会場を完全に掌握した。

結果発表の瞬間、「日本チャンピオンはSeven Seas!」のアナウンスが響くと、会場は大歓声に包まれた。

Seven Seasさんは優勝後、こう語った。

「年々日本エアギター選手権のレベルが上がっている中で、今回こうしてチャンピオンになれたことが本当にうれしい。みんなとエアギターファミリーとして、一緒にいられることがすごく幸せだと思った」

「Make Air Not War」――大会が伝えたメッセージ

表彰式が終わると、舞台は出演者全員によるエアギターパフォーマンスで締めくくられた。激しく戦ったライバルたちが肩を並べ、同じ音楽に合わせてエアギターをかき鳴らす光景は、大会のスローガンをそのまま体現するものだった。

大会のスローガンは「Make Air Not War」――武器を捨て、エアギターを持とう。

競い合いながらも、最後は共に喜びを分かち合う。エアギターという文化が持つ、独特の温かさと自由さがそこにあった。

優勝したSeven Seasさんには副賞として、フィンランドへの往復航空券と現地ホテル2泊分が贈られる。次なる舞台は、今年8月にフィンランドで開催されるエアギターワールドチャンピオンシップだ。日本チャンピオンが世界の頂点を目指す戦いが、いよいよ始まる。

(動画で見る▶エアギターの日本チャンピオンは「Seven Seas」 日置市で開かれた決勝大会の熱狂)

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鹿児島テレビ
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