富山県の空の玄関口、富山空港。今月からはその運営を民間事業者が担います。
北陸新幹線の開業や国際線の運休などで空港の利用者が減る中でどう変わるのか取材しました。
富山市秋ケ島にある富山きときと空港。全国で唯一の河川敷にある空港です。
現在、運航している定期便は、国内線の東京便と札幌便のみ。ピーク時の2004年には東京便が最大1日8往復運航され、年間139万人の利用がありましたが、2015年に北陸新幹線が開業すると利用者は激減。コロナ禍で更に落ち込みました。
空港の運営にかかる収支は、国際定期便の運休による着陸料の減少や物価高騰などで悪化し、2024年度は5億8000万円のマイナスとなっています。
*新田知事
「成り行きに任せていたら富山空港の将来はないと思っている。民間活力を導入することによって厳しい競争下の中でも需要をつくりだしていく。それが必要」
こうした中、空港を管理する県が3年前に打ち出したのが民間活力の導入です。
空港は県が所有したまま、その運営を民間に託すことを決めました。(10年で33億円拠出)
*富山県航空政策課 山崎秀之課長
「このまま県で運営していくよりも費用負担が小さくなる形でシミュレーションをした上で運営費用負担金を計算している。まずは富山への用事をつくる所から始まり、取り組みを進めることで航空需要も自ずと増えていく。地域活性化の視点を持った取り組みをすると聞いており、空港運営のみならず、そういう部分で期待している」
赤字が膨らむ富山空港。その再生に白羽の矢が立ったのが、空港の運営会社である富山エアポートの岡田信一郎社長です。
*富山エアポート 岡田信一郎社長
「きょうはあいにくの雨だが神通川が見えて反対側には立山連峰が見える非常に見晴らしがいい。富山空港の場合フェンスが低い河川敷の空港ということもあって。フェンスが低いという特徴があってこの見晴らしのよさをうまく生かしていきたいと考えてるんです」
岡田社長は2019年に和歌山・南紀白浜空港の民営化でワーケーションや企業誘致などの地域活性化策に着手。6年で利用者数を1.5倍に増やした空港経営のエキスパートです。
そんな岡田社長が取り組む富山空港の改革。まずは、2階の土産スペースと喫茶店に手を加えるといいます。
*富山エアポート 岡田信一郎社長
「ここのエリアをリノベーションして変えたいなと思っていて、土産物屋が広いということもあって、あとこっち側の喫茶があそこが乗り降りする方が通る場所だが中も見える。この見えるというのをうまく利用してこっち側をラウンジにして富山らしさを出す」
ラウンジでは地酒やますずしなど、富山の物産を提供。1年後の完成を目指します。
*富山エアポート 岡田信一郎社長
「できたら常連がボトルキープできるような仕組みができたら、『自分の空港』というような友人や同僚と行った時にそのボトルを開けて飲むとか。そうすると自分の空港というかホスピタリティも上がるだろうし、愛着も増えるだろうからそういう取り組みをできないか構想している」
さらに岡田社長は、現在大部分が無料で提供されている駐車場に注目。
空港利用者以外の有料化も含め検討し、利用状況の割に駐車スペースが埋まってしまっている状態の解消に取り組みます。
*富山エアポート 岡田信一郎社長
「飛行機に乗る方が空港に来てパッと中でゆったり過ごす。そういう利便性向上を図りたい。手前側の近いところをVIP専用駐車場のように差別化することで頻繁に使う方に優越感を醸成するような仕掛けでより空港を親しく感じてもらえるような仕掛けをつくっていきたい」
10年後の空港利用者数の目標は、年間53万7000人。現在の1.3倍以上です。(2024年度:39万5682人)
ワーケーションや研修を誘致し、ビジネス需要の取り込みを狙います。
*富山エアポート 岡田信一郎社長
「ビジネスの方の特徴は平日にもいらっしゃる。観光シーズンに関係なく冬でもお越しいただける。エアラインにとっても観光と比べてもビジネスの方は出張費などでチケット単価が高い、それで路線の収支にも寄与するということでビジネスの人をたくさん呼び込むことをしていきたい」
現在国際線は、ソウル、台北、大連、上海の4つの定期便がいずれも運休となっていて、再開は見通せない状況です。
岡田社長は県とともに運航再開や新規路線の就航に取り組んでいきたいと話していました。