新しい政党が次々と生まれる時代。政策や代表者以上にその政党の本質を映し出すのは、実際に支えている人たちの姿だ。2月の衆院選で躍進した新興政党の「参政党」と「チームみらい」、それぞれの支援者を取材すると、党を支える原動力の違いが見えてきた。
「このままでは日本が壊れる」
「このままじゃ日本が壊れるなって思いました」
参政党の活動現場に立つ党員の山田穣さんの言葉は、どこか切迫している。
山田さんが参政党の党員になったのは2025年5月。きっかけは、岸田・石破政権への不信感と、30年以上続く日本経済の停滞だった。
興味深いのは、山田さんがもともと政治活動に積極的だったわけではない点だ。
仕事と家庭に追われ、「ひたすら働いてきた」世代。子どもを社会人として送り出したあと、ふと立ち止まった。
「ああ、なんでこんな世の中にしてしまったんだろうって」
この言葉に象徴されるように、参政党を支える人たちには、後悔と責任感が強く結びついている。

活動はすべてボランティア。組織的な動員はなく、「来られるときに来る」スタイルだという。
にもかかわらず、山田さんはこう語る。
「今日は参政党デーです。ちゃんと覚悟を決めてやってます」
休みの日を丸一日、党の活動に捧げる。それを彼は「大変だけど当然」と受け止めている。
「僕ら、罪滅ぼししてるんです」
ここで言う罪とは、個人的な過ちではない。
「世の中を変えることを考えなかった」ことへの悔いだ。

真正面から社会課題に向き合う党の姿勢は、そうした感情と強く響き合っている。参政党を支える人たちは、危機感に突き動かされ、自分の時間と体力を差し出す覚悟を持った人たちなのだ。
「分断しない政治」を選んだ人たち
一方、チームみらいのサポーター・安野(やすの)さん(49)の語り口は、どこか穏やかだ。
「最近の政治の分断って、これでいいんだろうかって」
安野さんが活動に参加したのは、結党からわずか1カ月後。神奈川県小田原市で、最初のサポーターだったという。

彼がチームみらいに惹かれた理由は3つある。
・分断を煽らない
・誰も貶めない
・対話と合意を重視する
「これまでとは違う毛色の政党が出てきた」と感じたという。
安野さんは福祉施設で働く管理職。現場で感じていたのは、マンパワーと精神論だけでは社会はもたない、という現実だった。
「効率化っていうと人を切るイメージがあるけど、みらいは違った」
デジタル化や効率化は、人を大事にするための手段。その思想に強く共感したという。
チームみらいの活動スタイルは、参政党とは異なる。
サポーターは党費を払わず、できることを持ち寄る。
ビラ配りをする人がいたり、ITが得意な人がシステムを作ったり、オンラインでミーティングに参加する人がいたり・・・。
特に特徴的なのは、ITスキルの高い人が「初めての人でも参加しやすい仕組み」を作っている点だ。
意見が食い違うこともある。
しかし、そのときの対応は「戦わない。あくまで合意を図って、話し合う」。
党のバリューがサポーターにも共有されており、対立が分断に転じにくい構造がある。怒りよりも違和感から政治に関わり、設計と思考で社会を更新しようという考えが根底にある。

「参政党」と「チームみらい」の両党に共通するのは、既存政治では拾いきれなかった感情や課題に応えようとする点だ。新興政党の広がりは、政治参加の形が多様化していることを示しているのかもしれない。
