中東情勢の緊張が続く中、高市総理は31日、医療機器の安定供給を指示しました。
いま福岡の医療現場で何が起きているのか取材しました。
中東情勢の緊張が続く中、世界中に広がっている「石油供給への不安」。
その影響は、医療現場でも広がりつつあります。
福岡市西区のクリニックでは、石油を精製したナフサを原料とする医療用品の一部が値上げされることが決まっています。
◆やまもとホームクリニック 山本希治院長
「こうした様々なシリンジ(注射器具)、ワクチン接種などで使う医療用品も基本的には(価格が)上がる」
予防接種などで使用される使い捨ての注射器は、1箱2030円だったものが、4月以降は2320円と約15%値上げされます。
消耗品となる医療用品は原則、クリニックで費用を負担して揃えなけらばならず、経営に打撃となりますが、さらに深刻な問題が…
◆やまもとホームクリニック 山本希治 院長
「消耗品の価格が上がるのは物価上昇も伴って仕方のない面はあると思う。一番懸念するのは今後の供給不足。必要なものが手に入らない。それが患者側にとって一番の不利益を生じさせてしまうと危惧している」
こちらは福岡市南区にある九州中央病院。
週3回 約35人の患者が人工透析を受けています。
その治療に欠かせない患者の血液をきれいにするための「透析回路」用のチューブや「点滴用のバッグ」なども石油由来のナフサを原料としています。
◆九州中央病院 腎臓内科 満生浩司 部長
「透析の場合では全てとは言いませんが、大部分がやはり石油製品。毎回新しいものを使うということになるので、週3回ということになると、かなりの数を使うことになるので、これは常備しておかなければいけない」
今すぐに足りなくなるという状況ではないものの、病院の場合、万が一災害が発生した時にも対応できるよう、常に一定の量を確保しておく必要があります。
◆九州中央病院 腎臓内科 満生浩司 部長
「今のところ、そこまで重大な事態とは全く心配していません。ただまださらに状況が悪化する場合には、国とか行政との連携というのが必要になってくるかなとは思います」
こうした中、政府も対応に乗り出しています。
3月31日開かれた関係閣僚会議では、高市総理が石油製品の安定供給に向けた対応を指示しました。
◆高市総理
「特に国民の皆様の命に直結するものとして、輸血パックなどの医薬品、透析回路や注射器などの医療機器、医療用手袋やエプロンなど、医療物資の供給にも万が一にも支障があってはならない」
広がり続ける“令和の石油危機”の波紋。
将来を見越した対応策が求められています。