春は別れの季節。進学や就職、転勤などで街を離れる人も。新しい場所への旅立ちにどんな思いがあるのか。空港での見送りの光景を追った。
「次は甲子園で会おう」
長崎で桜の開花が発表された3月27日。長崎空港では大きな荷物を抱えて新天地へと向かう人たちの姿が見られた。
こちらの中学生のグループは、手作りのうちわを持って集まっていた。友人へのサプライズだ。
「友達のイメージで作った。ちょっとクールな子と情熱に溢れた子なので。喜んでほしい」と話す。
彼らが待っているのは、甲子園の出場を目指して石川県の高校に進学する友人2人。同じチームでともに汗を流してきた仲間だ。
平松虎太朗さんは、友人たちの見送りに驚いていた。 東幸蔵さんは「石川県の高校を選んだのは環境、施設が良くて自分の成長にもつながると思ったから」と話す。
息子の巣立ちに両親は悲喜こもごもの思いだ。父の陽平さんは「正直、毎日不安」と思いを打ち明け、「まさかこんなに遠くに行くとは思っていなかった。本人が行きたいと決めたので『行ってこい』という気持ちになった」と話した。
「思い切り頑張ってこい」とエールを送る父。仲間とは「次は甲子園で会おう」と約束した。
就職のため東京へ「胸を張って帰ってこれるように頑張る」
就職のため、23年間生まれ育ったふるさとを離れ上京する小無田凜花さん(23)。
IT系の企業でセキュリティ関連の仕事に就くことになった。「胸を張って長崎にまた帰ってこられるように頑張りたい」と話す。
小学生のころからの友人と、約10年間、指導を受けた塾の先生も駆けつけた。先生は「色々きついことあるかもしれないけどみんな付いている。仲間だから。人との出会い大切にしてね」と励ました。
友人の西田有里さんは小無田さんから手紙を受け取り、「逆に頑張る気持ちをもらった」と話す。「手紙は1人のときにゆっくり読みたい」と別れをかみしめた。
姿が見えなくなるギリギリまで見送った。
進学で上京する双子へ「お母さんも負けないように頑張る」
18歳の双子は東京の大学に進学することになった。すでに東京で暮らしている3歳上の姉と一緒に出発だ。
中里優羽さん(18)は3人一緒の大学で行けるので東京の大学を選んだと話し、「とはいえ、やっぱり寂しい。小学校の先生になって長崎で働きたいなと思っているので4年間東京で頑張る」と決意を語った。
ついに家族との別れのとき。思いが溢れ、姉妹で抱き合った。
飛行機が飛び立っても、家族はしばらくデッキから見守っていた。
母の亜樹さんは「自由に好きなことをのびのび仲良くやっていた2人だった。なんでも楽しんでやりたいことなんでもやって経験値を上げてもらえたらと思う」と話し、「お母さんも負けないように頑張りますと伝えたい」と笑顔で見送った。
それぞれの夢に向かって新たな一歩を踏み出した人たち。空港は涙と笑顔、そして励ましの言葉に包まれていた。
(テレビ長崎)
