トラックの荷台部分にカラフルな広告を掲示して音楽を流しながら繁華街など人通りの多い場所をゆっくりと走る“アドトラック”。批判が高まる中、福岡市が悪質業者の“抜け穴”を塞ぐべく条例改正に本腰を入れている。

大半の車両は“風俗”で市外ナンバー

福岡市中心部の繁華街を走る派手な広告宣伝用の車、アドトラック。荷台部分には、カラフルなイラストや煌びやかなネオンも飾られ、スピーカーからは大音声や風俗店の求人など、人通りの多い混雑した市街地をあえてゆっくりと走るその存在に眉をひそめる市民も少なくない。

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「不愉快だね、走ってるのは、やたら騒音をばらまいて。しかも“キャバクラ”とかの宣伝が多い」と憤る年配の男性や「子供達が見てね、興味を持ったりすることがあるじゃない?あれは良くないなと思ってる、教育上」と苦言を呈する女性など、批判的な声が多く聞かれる。

福岡市が2025年4月から12月までに行った約72回の調査では、615台のアドトラックが確認されていて、そのうち“風俗関連”の車両が531台確認されている。

福岡市の屋外広告物条例では、車への広告物の表示に関して許可申請を求める対象は、『運営者の拠点が、市内にある車両』に限られている。

つまり、福岡市以外を拠点としているアドトラックは、規制の対象外となるのだ。

市の調査でもナンバープレートが確認できた495台は、全て市外のものだった。

福岡市も『市外ナンバー』規制へ

アドトラックを巡っては、既に東京都が規制を強化している。2024年の条例改正では、映像や発光などを使った広告は、都外ナンバーでも取り締まりの対象となっているが、福岡市も市内を走る車両全てを規制対象にできるよう条例改正に動きだしている。

福岡市議会の2月定例会で、高島宗一郎市長は、「良好な景観を形成するため、市内を走る全ての広告宣伝用自動車にかかる広告物を許可制度の対象とする」などとした条例改正案を上程した。

改正案では、許可申請を求める対象を市外に拠点を置く運営者の車両にまで広げ、規制強化を図る考えだ。

更に、広告面積を20平方メートル以下に制限する規制も新たに盛り込まれた。

福岡市内にある運送会社『株式会社アラト』では、本業の運送業に加え、約4年前からアドトラックなどの広告事業も展開している。

取り扱う広告は、条例に沿って市の申請などを行い、街の景観に配慮したものに限っているが、赤塚亮太社長は「報道の限りでは、広告面積の規制があるということで、セミロングサイズでも規制に今のところ引っかかってしまう現状があり非常に危惧している」と条例改正に不安な点もあると話す。

「今回の条例改正の目的が何なのかと。アドトラック自体を規制するのか?広告内容を規制するのか?そこはもう一度検討頂いてあるべき形になればいい」と赤塚社長は、改正にも前向きだ。

条例改正を通して市の本気度示す

こうした業者側の懸念に対し、『福岡市住宅都市みどり局都市景観室』の坂田悠室長は、『アドトラック自体を禁止するものではない』とした上で、「まずは条例改正を通して、市の本気度を示し、事業者が自らルールを守ることが一番」との考えを示した。

また、業者が懸念する『面積制限』についても、市は、「特例で認めるという手続きも別途設けている」と説明する。

条例改正で街の景観と広告の在り方がどう変わっていくのか?福岡市の改正条例は、約半年間の周知期間を経て、2026年10月1日に施行する見通しだ。

(テレビ西日本)

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