伊東市の田久保眞紀 前市長が地方自治法違反の疑いで書類送検されてから1カ月が経過した。ただ、過去の事例から言えば起訴のハードルは極めて高い。一方、静岡県警が3月25日に同氏を有印私文書偽造・同行使容疑で書類送検していたことがわかった。それも起訴を求める「厳重処分」の意見を付けて、だ。
極めて高い起訴のハードル
静岡県警は2月、伊東市の田久保眞紀 前市長について地方自治法違反の疑いで静岡地検に書類送検した。
田久保氏をめぐっては、自身の学歴詐称問題に関連して地方自治法に基づき設置された市議会の百条委員会に正当な理由なく出頭しなかったほか、同じく正当な理由なく請求された資料を提出しなかった上、虚偽の証言をしたとして刑事告発されていた。

地方自治法では、同法100条に基づく調査について「正当の理由がないのに、議会に出頭せず若しくは記録を提出しないとき又は証言を拒んだとき」や「虚偽の陳述をしたとき」は「告発しなければならない」と定めているからだ。
とはいえ、刑事告発されたからといって実際には起訴(略式も含む)のハードルは極めて高い。
総務省が公表している資料によれば、地方自治法100条に基づく調査は2007年度から2024年度までに全国の地方議会で307件あり、うち66件で告発に至った。
同資料には告発後の経過がすべて記されているわけではないが、不起訴になっているものも多く、中には受理されていないものもある。
そして、検察による処分結果が示されている告発の中で起訴に至ったケースは1件もない。
追送検 警察の意見は「厳重処分」
一方、田久保氏について、静岡県警が3月25日に卒業証書を偽造し他人に示した有印私文書偽造・同行使の疑いで新たに書類送検していたことがわかった。
2025年5月の市長選の際、報道機関から依頼された経歴調査票や当選後に市が発行した広報誌に「東洋大学法学部卒業」と記載していた田久保氏だが、学歴詐称を指摘する告発があった当初は疑惑を否定し、卒業を示す証拠として"卒業証書"を市議会の中島弘道 議長や青木敬博 副議長、そして市職員に見せていたことがわかっている。
捜査関係者によると、県警は今回の追送検にあたり、起訴を求める厳重処分の意見を付記したという。
刑法159条に規定されている有印私文書偽造罪の法定刑は3カ月以上5年以下の拘禁刑となっていて、新たな書類送検を受けて静岡地検がどのような処分を下すのか注目されている。
