新型コロナウイルスの感染拡大が続く中のハロウィーン

31日、本番を迎えるハロウィーン。
30日午後9時半ごろの東京・渋谷駅周辺には、コスプレ姿で街中を歩く人が。

2020年もDJポリスや多くの警察官が投入され、例年同様の厳戒態勢が敷かれた。

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毎年、ハロウィーン時期の渋谷駅周辺では、若者を中心に多くの人が集まって、酒を飲んだり、騒いだり。
まさに、3密の状態で、クラスターが発生するのではないかという懸念が広がっている。

ハロウィーン本番が土曜日になるのは、2015年以来。
その5年前の金曜日は、当時流行したキャラクターにふんした多くの人でにぎわっていたが、2020年は、コスプレをして街を歩いている人は少なく、警備にあたっていた警察官も、午後9時すぎには撤収した。

学生(20代):
(例年は)友達と仮装パーティーしていた
(ことしのハロウィーンの予定は?)ないです

会社員(20代):
毎年渋谷に来ている。ずっと(仮装して)街を歩いていた
(きょうは)渋谷のレンタルルームを借りて、友達5人でハロウィーンパーティーをする

「HOME HALLOWEEN」と「バーチャル渋谷」

街の風景も、これまでとは大きく違う。

2019年にハロウィーンの際に仮設トイレが設置されていた場所では、2020年は何も設置されていない。

ハロウィーンのときには毎年たくさんの人が集まる渋谷だが、2020年は「HOME HALLOWEEN」と書かれている。
街の至るところにポスターを貼るなど、さまざまな形で自粛を呼びかけていた。

さらに渋谷区では、もう1つの渋谷に集まろうと、呼びかけも行っている。
区公認の仮想空間として、5月からスタートした「バーチャル渋谷」。
28日からはイベントが開かれ、夜のスクランブル交差点は、カボチャのランタンなどで飾り付けられ、ハロウィーン仕様に。
利用者は、アバター上で仮装し、自由に散策できる。

イベントでは、さまざまなアーティストやお笑い芸人が、日替わりでライブ。
ステージ前には、多くの観客が集まっていた。

渋谷未来デザイン・長田新子理事:
われわれが予想していた以上に反響があって、クリスマスや年末にかけてどんなことをしたらいいのかは、これから考えていけばいいと思っているし、コロナ禍で楽しんだ体験を、さらに実際に街に来て楽しめる、つなぐみたいなことを、われわれとしてはやっていきたい

31日に本番を迎えるハロウィーン。

リアルとバーチャル、2つの渋谷は、それぞれどんな夜を迎えるのか。

ハロウィーンの楽しみ方が進化

内田嶺衣奈キャスター:
感染拡大が続く中で迎えるハロウィーン。
松江さんいかがですか。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
ハロウィーンが近年盛り上がってきたのは、「自分が主役」のイベントになってきた。
こういった側面が強いと思うんです。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
例えばスポーツとかライブとかは、実際聞き手として自分が受け手として楽しむイベントですけれども、ハロウィーンに関して最近は、自分が仮装して自分がパフォーマンスしてそれを見せたい。
「自分が主役」という色彩が強いのが特徴になってきたと思うのです。

ただ、これがコロナの3密回避によってずいぶん形が変わってきた。
また違う形の可能性を模索する時期に来たのではないかと思います。

内田嶺衣奈キャスター:
本当に楽しみ方もさまざまになってきましたね。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
これから私は二つの方向で、楽しみ方が進化していくと思うのです。

まず一つはバーチャルということで、こちらは人数制限もありませんし、物理的な制限もありませんから、色々なところで色々な人が集められることができるのです。
ここで、参加型のコンテンツとか内容が広がっていくと、まだまだ盛り上がる可能性があると思うのです。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
同時にもう一方で見直されるのが、実は「リアルの価値」ということなんです。
これは人数制限があるがゆえに、自分にとって身近な限られた人とじっくり時間をかけて過ごす。
こんな楽しみ方も私は広がってくるのと思うのです。

内田嶺衣奈キャスター:
確かに家族や親しい友人と一緒に過ごす時間が例年以上に今は貴重に感じますよね。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
ハロウィーンの調査の中で、「今年どんな過ごし方がいいか?」
これで一位に来ているのは、まさに「家族と過ごす」ということなのです。
ですからこれからクリスマスや年末年始もありますけれども、より身近な人たちとゆっくりと絆を深める。
こんな「リアルな価値」というのも再発見するそんな機会になるんじゃないかなというふうに思います。

内田嶺衣奈キャスター:
何より子供たちにとってはハロウィーンは良い思い出にもなるものです。
皆さん、感染に気をつけながら楽しい時間をお過ごしください。

(「Live News α」 10月30日放送分)