自作の生け花を写真に収め、その出来栄えを競う「学校華道インターネット花展」。全国から約4800作品が寄せられたこの大会で、秋田・羽後町の中学2年生が県内最高賞となる優秀賞に輝いた。幼い頃から華道に親しみ、花と向き合ってきた時間は、感性だけでなく学校生活にも確かな影響を与えている。
全国約4800人の中から選ばれた一作
優秀賞を受賞したのは、羽後町立羽後中学校2年の野口龍馬さん(14)。湯沢市にある生け花教室で、野口さんは一輪一輪の花と静かに向き合い、作品づくりに取り組んでいる。
「もうすぐ春が来ることを花で表現した。全体的に重ならないように生けて、それぞれの花の色鮮やかさで春らしさを出した」
そう語りながら、花の配置や空間の取り方を確かめる野口さん。そのまなざしは真剣だ。
野口さんが挑戦したのは、2月に行われた「学校華道インターネット花展」。全国から4793人が参加する中で、秋田県内最高となる優秀賞を獲得した。
受賞作品のテーマは「秋の気配」。ダリアやカスミソウなど6種類の草花を用い、夏から秋へと移ろう季節の一瞬を表現した。
「花が風に吹かれているイメージで作った」と語る野口さん。
審査委員長は、「細長い葉の線を生かした縦の構成に、2輪のダリアを絶妙なバランスで配置している」と高く評価した。
意識したのは“線”と“間”
野口さん自身も、今回の作品では特にバランスを意識したという。
「花の間のバランスや配置を意識した。受賞できて、うれしい気持ちが一番」と喜びをかみしめる。
華道では、花そのものだけでなく、植物同士の“間”や余白が美しさを左右する。野口さんは、その難しさと面白さを日々実感している。
華道との出会いは小学2年生
野口さんが華道を始めたのは小学2年生のとき。きっかけは、親からの何気ない一言だった。
「『やってみたら?』と親に言われて始めた。もともと作ることが好きで、自分で何かを生み出したいと思った」と当時を振り返る。
野口さんが通う湯沢市の生け花教室現在は、湯沢市で活動する華道家元池坊秋田支部の後藤孝さんの教室で腕を磨いている。
後藤さんの教室には、幼稚園児から高校生まで37人が在籍。毎年6月から翌年1月まで、基礎からじっくりと華道を学ぶ。
稽古では、「空間が少しあるといいから、下のほうに傾けてみて」といった具体的なアドバイスが飛ぶ。
後藤さんは野口さんについて、「とてもまじめで、毎年感心するような楽しいテーマを考えてくれる」と目を細める。
華道が育てた“考える力” 次の目標は最高賞
一方、野口さんは課題についても率直に語る。
「花と花の間に隙間を作ってしまうことがある。後藤さんからは『バランスをもっと意識して』と言われる」という。
線と間を見極め、余白に美を見いだす華道の時間。その積み重ねが、野口さんの感覚を研ぎ澄ませている。
「生け花を通して考える力が付いた。これからも色々なことに挑戦して、見ている人も、自分も“きれい”と思える生け方をしたい」と語る野口さん。
次に目指すのは、インターネット花展の最高賞。
花と向き合い、自分自身とも向き合いながら、野口龍馬さんの静かな挑戦はこれからも続いていく。
(秋田テレビ)
