大手電機メーカー・パナソニックの調べでは、花粉症の経済的損失は1日当たり2450億円。
この事態に、思い切った対策をする企業が現れています。

高齢者向けの冷凍食品を販売するクックデリでは、2025年からマスクや高保湿ティッシュを全社員に支給しています。
理由は、花粉症の福利厚生。

さらにクックデリでは、花粉症の治療費などを年に最大5000円補助する制度もあります。

2026年に上限を引き上げたことで、レーザー治療や舌下免疫療法といった根本的な治療に取り組む社員が増えたといいます。

裏には、食品メーカーならではの切実な理由がありました。

クックデリ Well-being推進室室長・高橋輝圭さん:
食品開発部門では、花粉症でこの時期には鼻づまりになって、匂いが分かりにくくなったり、味覚が劣ることが。

制度を利用した営業課・栄養士の亀井直人さんは「(補助で)治療のハードルは非常に下がった。すごく実感している」と話します。

一方、花粉そのものを避けて働くという発想の企業も。
アプリ事業などを手がけるIT企業、アイザックです。

導入した福利厚生を利用した社員は「鼻水もないし、目のかゆみがないのが本当にありがたい」「飛行機が降りた瞬間から『花粉がない!』」と話します。

社員の後ろには青い空や雲、そして海が写っていますが、これはリゾート風のバーチャル背景ではなく全て本物です。

実はアイザックでは、花粉のほぼない沖縄や奄美大島などでリモートワークができるよう、宿泊費や現地のコワーキングスペース代などを期間内で最大30万円、補助しているといいます。

アイザック広報・PR 渡邉奈穂さん:
単なる福利厚生というよりは、メンバーの挑戦を後押しする制度。このつらい時期をむしろチャンスに変えられる制度として活用してもらっている。

制度を利用したアイザック・マーケティング責任者の伊藤凱さんは「花粉症のことを考える時間だけがなくなった。深く思考できる感覚、環境が変わることでパフォーマンスが上がっていく感覚がある」と、仕事上でも変化が見られたといいます。

花粉症は個人ではなく会社の課題。
こうした福利厚生は今後、令和の新常識として広がる可能性があります。