日本時間午前8時過ぎ、アメリカのホワイトハウスで開催されたトランプ大統領主催の夕食会。
会場には、グーグルのピチャイCEOやプロゴルファーの松山英樹さん、ソフトバンクグループの孫正義会長の姿も。
ソフトバンクグループ・孫正義会長:
(Q.夕食会の雰囲気)非常に和やかで、1曲1曲素晴らしい音楽があったんですけど、全てトランプ大統領が自ら選曲して。
出席者の前に和やかな表情で並んだ日米両首脳。
トランプ大統領:
高市首相と私のリーダーシップのもとで、両国のパートナーシップをこれまで以上に強く素晴らしいものに発展できると確信している。
ダークグレーのスーツに真珠のネックレスを着けた高市首相は、スピーチで会場の笑いを誘う場面も。
高市首相:
あすに控えるドナルドのご子息のバロンさんのお誕生日です。立派でイケメンに成長されていると伺っております。間違いなくご両親に似たんだと思います。
高市首相の就任後初のアメリカ訪問となった今回の日米首脳会談。
ホワイトハウスがSNSで公開した映像では、出迎えた際に握手を求めたトランプ大統領の胸に高市首相が飛び込みハグを交わす場面や、2026年のアメリカ建国250年を祝して日本が贈った桜の苗木を挟んで記念撮影をしたり、トランプ大統領自らがホワイトハウス内を案内する様子など両首脳の親密さを強調していました。
中東情勢の緊迫が続く中で行われた注目の日米首脳会談。
しかし、日本時間の午前0時過ぎ、報道陣の前に姿を見せた両首脳は、笑みを浮かべるなど会談は和やかな雰囲気で幕を開けました。
フジテレビ政治部 官邸キャップ・瀬島隆太郎記者:
最近トランプ大統領がこれだけ和やかなムードで会談を行うのは珍しいとされている。トランプ大統領は自身の側近に対しても、直近で「高市総理に会うのが非常に楽しみだ」と話していて、きょうの会談を心待ちにしていたものとみられます。
この和やかムードの裏には何があったのか、首相の訪米に同行している瀬島記者は、大統領執務室に記者が入る直前の“空白の5分間”に行われた両首脳のやり取りが重要だったと指摘します。
フジテレビ政治部 官邸キャップ・瀬島隆太郎記者:
この場ではトランプ大統領が高市総理に対して衆院選での圧勝を称賛し、政治的なアジェンダや課題については一切触れなかった。高市総理に対し「自分が支持し勝利を獲得した強いリーダーだ」という思いがあった。そのため会ってすぐに選挙の話になり、打ち解けた雰囲気につながったんじゃないか。
自民党の歴史的大勝となった2月の衆院選。
その選挙戦の終盤、トランプ大統領はSNSで異例となる“高市支持”を表明していました。
首脳会談の冒頭でも、高市首相を「歴史的な圧勝ということで、私と共通するものがあると思う。私は彼女を支持できたことを誇りに思っている」と称賛しました。
この発言を聞いて笑みを浮かべた高市首相。
そして冒頭、英語で話し始めた高市首相にトランプ大統領はこんな言葉をかけたのです。
トランプ大統領:
あなたは“優秀な通訳”を連れてきているでしょ。
高市首相:
彼はあなたの友達でしょ、知ってるわ。
トランプ大統領に“優秀な通訳”と評されたのは、首相の通訳を務める外務省の高尾直さん。
実は“トランプ対策”のキーマンでした。
フジテレビ政治部 官邸キャップ・瀬島隆太郎記者:
(Q.通訳の高尾氏について)「陰の主役」ということが言えるかもしれない。高尾氏は外務省幹部で、通常は総理通訳を行うのは異例だが、“トランプ対策”ということで今回も通訳として投入された。
過去に安倍元首相の通訳として数々の首脳会談やゴルフ会合にも同行した高尾さん。
トランプ大統領から“リトルプライムミニスター(小さな首相)”と呼ばれるほど信頼されているといいます。
トランプ氏から笑顔を引き出した高市首相。
さらに、自身で発言内容の推敲(すいこう)を重ね、こだわった「決めぜりふ」が。
高市首相:
世界中に平和と繁栄をもたらせるのはドナルドだけだと思う。
すると、イラン情勢への日本の支援についてトランプ氏が理解を示す発言が。
トランプ大統領:
きのうやおとといの日本の発信を踏まえると、日本は本当に責任を果たそうとしていると思う。NATO(北大西洋条約機構)とは違う。
一方、30分近くにも及んだ会談の冒頭撮影では、こんな場面も。
質疑応答が長引きトランプ大統領の独演会状態となると、高市首相が1回、2回、3回そして4回と時計に目をやり、ついには関係者に時間をアピールするようなしぐさまで見せました。
時間を気にするしぐさにはどんな思いがあったのでしょうか。
フジテレビ政治部 官邸キャップ・瀬島隆太郎記者:
時間が長くなれば長くなるほどトランプ大統領が何を発言するかわからないリスクが生まれるため、官邸幹部も冒頭撮影の所要時間にはかなり神経をとがらせていた。そのため高市首相も時間を気にしていたのではないか。
実際、質疑が長引く中、「なぜイラン攻撃を同盟国である日本に伝えなかったのか」との質問が飛ぶと…。
トランプ大統領:
我々は奇襲攻撃を仕掛けたいと考えていたため誰にも話さなかった。日本ほど奇襲をよく知っている国はないだろう。なぜ真珠湾攻撃を教えてくれなかった。そうだろう?
トランプ大統領が真珠湾攻撃に言及したことについて、アメリカメディアは“外交規範の軽視だ”“歴代大統領のタブーを破った”などと報道。
会談後、トランプ氏が執務室で愛用するサインペンを配る場面もあるなど、同行した政府高官が「大変成功裏に終了した」と成果を強調した日米首脳会談。
一方で、焦点だったホルムズ海峡への艦船派遣について直接的な要請はなかったものの、トランプ大統領がより積極的な貢献を求め日本側にくぎを刺す場面もあり、今後も予断を許さない情勢が続きそうです。