「羽田空港ではパソコンを出さなくていいのに、なぜ…」
こうした声を背景に、広島空港で新たな検査レーンの導入が進んでいる。2月26日に1基目が運用を開始し、3月中旬には2基目も稼働。手荷物を取り出さずに検査できるようになるなど、利便性の向上が図られている。
処理速度1.5倍 待ち時間短縮へ
3月16日夜、広島空港の国内線出発ロビーを訪れると、保安検査場が大きく変化していた。
手前にせり出す形でこれまでより約12メートル長くなり、レーンもひと回り大きくなっている。
今回、新しく導入されたのは全長15メートルの「スマートレーン」。中四国エリアの空港では初めてだ。
羽田空港ではすでに同様の仕組みが導入されており、利用者からは違いに戸惑う声もあったという。全日警広島空港事務所の三浦伸所長は「向こうではパソコンを取り出さなくていいのに、なぜこちらでは必要なのかという声があった」と話し、利便性向上の必要性を背景にあげる。
従来のレーンは、パソコンやペットボトルなどの液体物をカバンから取り出し、保安検査員が一つ一つ手作業でチェック。そのため、繁忙期には“長蛇の列”ができていた。
新しいレーンでは、その手間がなくなる。
実際に体験すると、トレーが自動で流れてきて、荷物をのせるだけで通過できる。かかる時間はわずか数秒。パソコンや飲み物を取り出したり詰め直す必要もない。
1レーンにつき複数人が同時に準備できるため、準備が整った人から順に進める仕組みになっている。これにより検査時間の短縮が見込まれる。処理速度は1.5倍に向上し、繁忙期には1時間あたりの通過人数が従来の約200人から360人ほどに増える見通しだ。
検査精度向上でテロ対策の強化も
スマートレーンの効果は利便性だけではない。
検査機の画像は2Dから3Dへと精度が上がり、細かい持ち込み制限品の確認がしやすくなった。
さらに、検査後のトレーを元に戻す作業が自動化されたことで、検査員の負担は軽減。乗客への声かけも減り、労働環境の改善にもつながった。
ただ、すべてが新型に置き換わったわけではない。3基のうち1基は従来型が残されている。長さのある荷物はスマートレーンでは対応しにくいため、杖やベビーカーなどは従来レーンで対応する。
一方で、国際線への導入は現時点では未定だという。広島国際空港総務人事部の有光澄男部長は「ターミナルのリニューアルも進めており、今後も快適に利用してもらえるよう利便性の向上に努めたい」と話す。
中四国のハブ空港として、機能強化が進む広島空港。利便性と安全性の両立に向けた取り組みは、空港での時間をよりスムーズで快適なものへと変えていきそうだ。
(テレビ新広島)
