高止まりしていたコメの価格が下落しています。その理由について、農業政策に詳しい宇都宮大学農学部の松平尚也助教に話を聞きました。
■“買い占め”のコメ余りに加えて“ダブつき”も
松平先生によりますと、「業者が抱える在庫が非常に多い」というのが一つの要因で、いわゆる「米騒動」の際に、各地で卸売業者などの買い占めが起きましたが、その時のコメが余っているということです。

農水省によりますと、全国で民間が抱えているコメの在庫量は今年1月時点で、玄米の段階での重量で321万トンと、去年と比べ92万トン増えています。
さらに、今年のコメの需要量は711万トンですが、収穫量は732万トンと21万トン上回る計算で、さらにダブつくことが考えられるということです。

これからの時期は虫やカビが発生する恐れもあるため、抱えている在庫について、業者は「早めに売りたい」、また卸売業者や集荷業者は、3月が決算期なので「いま売っておきたい」という動きが強まり、下落傾向にあるということです。
政府は今年収穫されるコメについて、備蓄米として計約21万トンを買い入れるとしています。
■今後の価格はどうなっていくのか?
松平先生によりますと、低温倉庫がない販売店は安く売る可能性はあるが、「米騒動の際に高値で仕入れたコメはそこまで安くならない」と見ていて、4月ごろから5キロ3000円~3500円ほどで販売されるのでは、としています。

今の中東情勢の影響を受けることも考えられ、長期に渡り混乱した場合、燃料費が上がること、さらに天然ガスを原料とした肥料の価格高騰が考えられるため、コメ価格に影響を及ぼす可能性もあるとみています。
