山口県岩国市の酒造会社「獺祭」がISS=国際宇宙ステーションに搭載した装置で醸造した清酒の”もろみ”がきょう、本社に到着しました。
「獺祭」本社に到着した1台のトラック。
ゆっくりと開いた荷台に積まれていたのは、ISSの日本実験棟「きぼう」で醸造された清酒のもろみです。
桜井一宏社長らが見守る中、もろみの入った段ボール箱は社内へと運ばれました。
獺祭は将来、月面でも酒を楽しめるようにと、去年10月、醸造装置と清酒の原料の米・麹・酵・水を種子島宇宙センターからH3ロケットで打ち上げ、補給機でISSに輸送。
「きぼう」で油井亀美也宇宙飛行士が水を加えて原材料を混ぜ合わせ、2週間かけて発酵させました。
出来あがったもろみ、およそ260グラムは冷凍された状態で地球に戻され、アメリカの西海岸沖に着水して回収。そして、13日、本社に到着しました。
箱からもろみが入った容器を取り出した桜井社長は…
【獺祭・桜井一宏社長】
「重たい。ずっしりしています。本当に「お帰り」という感じ」
もろみは今月下旬に解凍され、1本限定の清酒およそ100ミリリットルになるということです。
プロジェクトの技術責任者に味への期待を聞くと…
【獺祭MOONプロジェクト儀重責任者・植月聡也さん】
「宇宙空間で日本酒が本当にできるかどうかに重きを置いた試験なので、正直申し上げると味は二の次、三の次というか、担当者としても、そんなにおいしいお酒は期待していないです」
味は”二の次”ということですが…すでに清酒は1億1000万円で買い手が決まっているということです。
【獺祭・桜井社長】
「発酵が本当に宇宙空間で行われるのか。まだ分析結果は出ていないが、おそらくクリアできただろうということで、大きな一歩を踏み出せた」
獺祭は売上金をすべて国内の宇宙開発事業に寄付する予定です。