9日、「イット!」ではガソリン価格が200円を超える可能性についてお伝えしましたが、状況は一転しました。
イラン情勢についてのトランプ大統領の発言を受け、原油価格が値下がりしています。
フジテレビ・中本智代子解説副委員長と見ていきます。
宮司愛海キャスター:
トランプ大統領の発言ですが、アメリカメディアのインタビューに対して9日、「戦争はほぼ終わった」と発言をしました。この発言を受けて、1バレル=119ドルだった原油価格が80ドル台まで値下がりしました。ただ一方で、イラン側は「戦争の終結を決めるのは我々だ」と主張しています。
青井実キャスター:
気になることたくさんありますが、中本さん、まずこの発言はなぜかということですね。
中本智代子解説副委員長:
トランプ大統領は、とにかくこの原油高は止めたい。つまり、この発言というのはアメリカ国民向けのメッセージだと思っています。というのも、アメリカというのは車社会で、車がなければ生活できないので、ガソリンが高くなる=生活苦に直結します。アメリカ国内ではすでにガソリンの値段が1週間で17%上がっているんです。さらにこの前の日に、イスラエルがイランの石油貯蔵施設を30カ所も攻撃したんですが、この炎が燃え盛る映像が世界に拡散して、これを受けて原油価格の値上がりにつながった一端となったんですね。イスラエルは事前に攻撃をするとアメリカ側に通告していたんですが、トランプ大統領はまさかこんなに大規模になるとは思っていなかったとして、「がっかりした」と言っていたんです。この原油高を止めるために、「世界平和のためにはちょっとガソリンの値段が上がるくらいは小さな代償だ、気にするな」みたいなことを言ったんですが、それでも鎮静化しなかったということで、「戦争はまもなく終わる」発言に至ったんだと思います。
宮司愛海キャスター:
そして、トランプ大統領は記者会見の前に、ロシアのプーチン大統領と電話会談を行ったということです。
この会談の中では、プーチン大統領がイラン情勢について「協力したいと考えている」という発言があったそうです。トランプ大統領も「非常に良い会談だった」と話していたということです。
青井実キャスター:
中本さん、タイミングですよね、なぜ今、電話会談をしたんでしょうか?
中本智代子解説副委員長:
イランへの攻撃が始まってから初めてのアメリカ・ロシアの首脳電話会談だったんですが、イランとロシアというのは、お互いアメリカから制裁を受けている者同士で、それで協力し合っているんですね。イランはロシアにドローンを提供している、ロシアは今回の戦争でアメリカ軍の基地などの情報をイランに提供しているともいわれているんです。ただトランプ大統領は、ロシアにはこの戦争に鼻を突っ込んでほしくない、一歩引いてほしいということもあったので、どういう会談か具体的にはどちらも発表していないんですが、このまま手を出さないでほしいというようなことを言ったのと同時に、アメリカはロシアに制裁を科しているんですが、原油が足りなくなったり、価格が上がった場合は、あなた方への制裁をちょっと緩めるから、その時には協力してねと協力を仰いだ可能性はあると思います。ただ電話会談は1時間もあって、かなり突っ込んだ話し合いがなされたと思います。
青井実キャスター:
山口さんはトランプ大統領の今回の動き、発言をどう見ますか?
SPキャスター・山口真由氏:
今回の攻撃の間接的な勝ち組はロシアだと思うんですよね。制裁の話もありますし、パトリオットミサイルを中東に集中して、ウクライナへは手薄になっています。間接的な負け組は日本と韓国だと思います。アメリカは石油の輸出国でもあるので、経済的な影響はとんとん、またはプラスにできますが、韓国の株はアメリカに比べてもドーンと落ちていて、中東依存というのはすごく長く指摘されてきた。だけど2011年以降、中東依存度をさらに高めてきたという日本のエネルギー安全保障は深刻な反省を迫られると思いますね。
宮司愛海キャスター:
この原油ですが、輸送をめぐって気になるニュースが入ってきています。海外メディアによりますと、ギリシャの海運会社が運航する大型の石油タンカーが、事実上の封鎖とされていたホルムズ海峡を通過したということです。位置情報を消したうえで通過したということですが、ギリシャの船だけでなく数隻が通過したということです。
青井実キャスター:
ギリシャタンカーが通過したということは日本向けのタンカーも通過するのか気になりますが。
宮司愛海キャスター:
今回の事実上の封鎖を受けて、日本に関係している45隻の船が身動きが取れない状態になっているんですが、今後の見通しについて日本船主協会は、前提として通るかどうかはそれぞれの会社の判断になるが、ホルムズ海峡は狭く、「位置情報を切ったからといって安全とは言えない」「一般的には日本の船舶がギリシャ船舶などに続いて通過することは考えづらい」ということでした。
トランプ氏の発言だけではなくて、様々な情報をもとに攻撃をする人がいないということが確認できるまでは通行は難しいのではないかということでした。
中本さん、ホルムズ海峡を通過できないとなると、今後も原油不安はまだ続いていくということですよね?
中本智代子解説副委員長:
実際にアメリカのトランプ大統領も、「この海域に機雷がないかどうかまだ調べている最中だ」と言っています。また、イラン側は小型のボートでいわゆる爆発物を仕掛けるというテロ的な攻撃もしてくることがあるので、ホルムズ海峡に門があるわけではないので封鎖はできないですけれども、じゃあ大型タンカーがここを通れるかというと、かなり難しいと思います。