慣れ親しんだ企業の名前を変える「社名変更」。

去年、その件数が“過去最多”を更新しました。

専門家によると、社名変更は、激変するビジネス環境への“生き残り戦略”だそうです。

新社名に込められた思いとは…相次ぐ社名変更の謎、その背景に迫ります。

■「ロッテリア」は「ゼッテリア」に店名を変更し、社名も「バーガー・ワン」に

阪神タイガースが日本シリーズで「ロッテ」に完敗した2005年。暴徒化するファンから店を守るためガラスにバリアを貼っていた「“ロッテ”リア」。

「ロッテリア」は今月中に全ての店を閉店し人気商品「絶品バーガー」と「カフェテリア」を組み合わせた「ゼッテリア」に順次変わっていきます。

【熊本から来た人】「え!?ガチ!?知らなかった。大阪だけ名前違うのかなって思いました」

【父親】「はじめ違うお店と思って入っていったら、あ、ロッテリアだ!って気づかなかった」
(Q:ロッテリアだった時代知っていますか?)
【子供】「知りません」

【街の人】「変わったら変わったで馴染んでくるんじゃないっすかね」
(Q:よく来られます?)
【街の人】「月1とか」
(Q:何か食べたい物が?)
【街の人】「(ポテトが)M→L無料じゃないっすか、ちょっとアツイなって」

さらに、先月16日には会社名も「株式会社ロッテリア」から「株式会社バーガー・ワン」に変更しています。

慣れ親しんだ「社名」の変更はこの他にも…冷凍食品や水産物の缶詰などを販売する「マルハニチロ」は今月、「Umios(ウミオス)」に。

■「ゲオホールディングス」は「2nd RETAILING(セカンドリテイリング)」へ

レンタルショップやリユースショップを運営するゲオホールディングスも、ことし、名前を変更することが決まっています。

ゲオホールディングスの新たな社名は「2nd RETAILING(セカンドリテイリング)」。

なぜ変更するのか?その理由を聞いてみました。

【ゲオホールディングス広報課 中川稜さん】「屋号の“ゲオ”のレンタル事業から、“セカンドストリート”のリユース事業が中核事業に移り変わっていまして、現状と今後の事業展開の方向性を合致させた社名にする」

レンタルショップ事業から始まったゲオホールディングスですが、今ではリユース事業の売上が大きく上回り、広く二次流通ビジネスの拡大を図るためにも会社名を変更するといいます。

■「ユニクロ」の運営会社「ファーストリテイリング」に似ている?

ちなみに…「ユニクロ」の運営会社「ファーストリテイリング」に似ている気もしますが…

【ゲオホールディングス広報課中川稜さん】「ファーストリテイリングさんの『FAST』は『速い』という意味合いでのファーストだったと思いますので…。そういったご意見はありました」

「言葉が似ているだけ」とのことでした。

実は去年、社名変更した上場企業は74社で過去最多となりました。社名を変えることでどんな“プラス”になることがあるのでしょうか。

■社名変更で危機を乗り越えた会社も

社名変更で危機を乗り越えた会社が大阪にあります。

「ギャツビー」などの化粧品を販売する「株式会社マンダム」。今では、おなじみの社名ですが、実は55年前までは別の名前でした。

(Q:「マンダム」の前の社名は?)
【マンダム広報部 佐藤美優さん】「以前は、丹頂(たんちょう)株式会社という社名でした」

当時、男性に人気だった固形整髪料「丹頂チック」。その商品名に由来した「丹頂株式会社」という名前だったのです。

しかしその後、整髪料は、固形から液体の物が主流となり、「丹頂」の売り上げは減少、会社が、経営危機に陥ります。

そんな中、発売された男性化粧品の「マンダム」シリーズが起死回生の大ヒットに!その理由を聞くと…

【マンダム広報部 佐藤美優さん】「ハリウッドスターのチャールズ・ブロンソンさんがあごに手を当てて『うーん!マンダム』とやってるCMです」

当時は、珍しかった、ハリウッドスターを起用したテレビCMが話題に。

【マンダム広報部 佐藤美優さん】「すごい人気で、街中でも、みんな『うーん!マンダム』とやっている状態」

発売から1カ月足らずで、起きた「マンダム」ブーム。そのイメージの定着を狙って、社名も変更したといいます。

【マンダム広報部 佐藤美優さん】「マンダムを社名に据えることで(当時は)男性化粧品会社である立ち位置のゆるぎなさだったり、社名の認知度拡大にも大きく貢献したと思う」

■社名変更にはどんな苦労があるのか

一方で、社名変更にはどんな苦労があるのでしょうか。

【世界に「0」をONする会社 広報担当・大内勇人さん】「世界に『0』をONする会社の大内と申します」

略称『ゼロオン』、「世界に「0」をONする会社」は、ことし1月30日に社名変更したばかりです。

【世界に「0」をONする会社 広報担当・大内勇人さん】「『世界に「0」をONする会社』は我々のスローガンとして、もともと使っていた言葉です。

何もないようにみえる「0」に価値を見出すなどの意味を込めた企業理念をそのまま社名に。

1983年創業で、もとは「コンピュータ技研」という老舗IT企業でしたが、AIなどを活用した地域支援など事業が拡大したこともあり、社名変更に踏み切りました。

【ディレクター】「ちょっと気になってたんですけどここ(看板)はコンピューター技研という名前なんですか?」

【世界に「0」をONする会社 広報担当・大内勇人さん】「まだ工事が間に合ってないという。それだけですね。社名が変わりたてなので、まだ変えられてない」

■大幅な社名変更に戸惑う社員も

会社名が変わってまだ1カ月ほど。社員たちは…

(Q社名言うの、戸惑わなかったですか?)
【1年目社員】「めっちゃありました。スマホで入力するときすごい時間かかるので大変だなって。最近、名前を辞書登録しました」

【5年目社員】「戸惑う場面でいうと、領収証を頼むときに1回で聞き取ってもらえないっていうのはあります」

社名変更するには登記はもちろん細部にわたる契約名の変更が必要でした。また会社のロゴを刷新し、名刺、社用の封筒などを変えるなど作業は多岐にわたったといいます。

【世界に「0」をONする会社 広報担当・大内勇人さん】「(社名を)かえるまでは半年ぐらい。意思決定してから。いろんな契約ごととか行政関係の届け出があるので結構その辺はやっぱり大変でした。

社会の動きが激しくなっていて速くなっていく中で、その動きにこたえるためには、社名を変えてというところがある」

■社名変更は、激変するビジネス環境への“生き残り戦略” 専門家

煩雑な作業が伴う社名変更。専門家は、激変するビジネス環境への“生き残り戦略”だと指摘します。

【近畿大学経営学部 川村洋次教授】「社名変更が盛んになってきているのは情報技術がどんどん発達してきて。

単に『ものを作っている会社』というんじゃなくて、それを最終的なユーザーに届けるという一連の流れをこれを取り仕切ってやらないと生き残っていけないといったような時代になって来たので。

今取り残されると非常にまずいという危機感の現れだと思います」

変化のスピードが加速する世の中。令和の社名変更は新時代の幕開けかもしれません。

■一度変更した社名を元に戻した会社も

社名変更を巡っては、一度変更した社名を元に戻した会社もあります。

2010年に「ユニヘアー」に変更した、かつら大手の「アデランス」は、「なじみのある名前がいい」などの声があり、翌年、社名を「アデランス」に再度変更しました。

【西脇亨輔弁護士】「社名変更すると働いている人の気持ちが変わることがある。

最近印象的だったのは、『鳥貴族ホールディングス』から『エターナルホスピタリティーグループ』の社名変更。(その後、エターナルホスピタリティジャパンに承継)

永遠のおもてなし(という意味で)、社員の意識が変わってくるんだろうな、かっこいいなと思いました」

(関西テレビ「newsランナー」 2026年3月6日放送)

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