俳優の大東駿介さんが、訪れた街のうんちくや、まだ地元住民にも知られていないような魅力を探す「発見!てくてく学」。
今回訪れたのは、京都市左京区の出町柳駅周辺です。
テーマは「消費量は全国トップクラス!京都人がパンを愛する理由を学ぶ」。
【大東駿介さん】「そうなんですね。京都の印象としてはコーヒー店が多い。喫茶店とか焙煎所ついてるコーヒー店とか、すごく多い印象がある」
実は、京都はコーヒーの消費量が日本一。パンの激戦区としても知られています。
【大東駿介さん】「めちゃくちゃあるやん!言っていいのか分からんけど、お昼時間あったでしょ。この近所で美味しいパン食べてきました」
もうすでにパンを食べてしまった大東さんが、「なぜ京都でこれほどパンが愛されているのか」、その秘密を探るべく鴨川沿いを歩き始めました。
■出町柳にはパンも和菓子も鯖寿司も
出町柳周辺には、驚くほど多くのパン店が密集しています。
【大東駿介さん】「なんでやろ、まずはパンを見つけて食べてみなね!」
街を歩けば、和菓子の名店「出町ふたば」には長蛇の列。名代豆餅は1日2000個も売れるそうです。
しかし今回のテーマはパン。泣く泣く見送ります。
次に行列ができていたのは鯖寿司店。
【大東駿介さん】「今日パンの回ですよね。大丈夫?今んとこ行列店、和菓子と鯖寿司やけど。無理に縛り付けなくてもいい気がしてきた」
途中で立ち寄ったコーヒー店「あくびコーヒー」では、ベトナム産のファインロブスタという珍しい豆のコーヒーを試飲。
チョコレートのような香りが特徴的なコーヒーに感心しながら、店主からも「パン屋さん多いです」という証言を得ました。
■地元民が教える「推しパン屋」
大東さんも舞台挨拶で訪れたことがある映画館「出町座」に立ち寄ると、館長の姿が。
【館長】「京都人はパンばっかり食べてます。めっちゃパン屋あります」
館長はこの日の朝「エズ ブルー」というパン店のパンを食べたそうです。
【大東駿介さん】「推しパン屋ということですね」
【館長】「京都人お気に入りのパン屋はみんなそれぞれある」
さらに、ふわふわ食感のフランスパンに、ハムとオニオンスライスを挟んだサンドウィッチ“カルネ”で有名な「志津屋」も出町柳駅にあります。
【大東駿介さん】「なんで京都ではこんなにパンが根付いてるんですか」
【館長】「それは僕にはわかりまへん」
■「当たり前のように…」なぜみんなパンを食べるのかは謎
道行く人に声をかけると、よくパンを食べるという回答が。
【大東駿介さん】「なんで京都の人はパンが好きなんですか」
【街の人】「親もパンをずっと食べてきた。ずっと食べてるから当たり前のように食べてる」
こちらの方もオススメは「エズ ブルー」。
【街の人】「朝いつも私、7時にいつも卵サンドを作ってもらうんです」
地元の人々は皆、それぞれお気に入りの「推しパン屋」を持っているようです。
■コスパ最強「ボナペティ」の衝撃
学生が“ニューバード”という京都定番のご当地パンを食べているのを発見した大東さん。
「ボナペティ」というパン屋で買ったそうで、わずか140円と聞いて驚きます。
“コスパ最強店”との呼び声も高いこの店を訪れると、ひと昔前のような価格設定のパンがずらり。
ボナペティは創業10年だそうですが…
【大東駿介さん】「10年にしては、ほんまに僕らが学生のとき、20年とかそれぐらい前ぐらいの値段でやってないですか」
【店員】「安く皆様に食べていただきたいっていう。物価高でみなさん大変だと思うので」
ここでも、京都にパン屋が多い理由は分かりませんでしたが、140円なのに美味しいチーズブレッドを食べて満足した大東さんでした。
■パン好きの背景に“西陣織”か
今出川通りは「パンストリート」と呼ばれるほどパン屋が集中しています。
1998年に今出川で1号店をオープンした「ル プチメック」は、食べログランキングでも常に上位に入る名店です。
ハード系を中心に豊富な種類のパンが並び、一番人気はクロワッサン。
しかし大東さんが選んだのは、店主がフランスで食べて再現したというアップルパイでした。
【大東駿介さん】「うまーい!めちゃくちゃおいしいで。リンゴの舌触りとパン生地の相性がいいわ」
なぜ京都人はパンが好きなのか…。ようやく謎が解き明かされます。
【店長】「この辺りは『西陣』と言って、西陣織の工場が多かったんです。汁気がなくて簡単に食べられるということでパンを好んで食べていたらしくて、このあたりは『パンストリート』と言われるようになったみたい」
大正から昭和にかけて、高級織物で知られる西陣織の大衆化が進み、織物を汚さずに片手で手軽に食べられるパンを職人たちが重宝したことが、京都のパン文化のルーツとされています。
■ 京都最古のパン屋「大正製パン所」
1919年(大正8年)創業、現存する京都最古のパン屋とされる「大正製パン所」を訪ねました。
【3代目の妻・河戸晴美さん】「菓子パンなんか、主人のお母さんは毎日木でできてる番重(木箱)がそこにあるんですけど、いっぱいパンを詰めて配達に持っていってた」
代々受け継いでいる低温長時間発酵で、およそ14時間かけてゆっくり発酵させることで、もっちりとした粘りのある生地を実現しています。
焼きそばパンやハムロールなど、昔ながらのパンを試食した後、一番人気のカレーパンが登場しました。
【河戸晴美さん】「私がカレーが好きやったさかい、自分とこの商品にしたいっていう、私がもう嫁いで50年になる。40年前から…カレーは自分で作るんですよ」
カレーは自家製で、インドに単身赴任している息子さんが帰国時に買ってくるスパイスを使用。
さらに、このカレーパンは一度焼いてから揚げるという独特の製法で作られています。
揚げ時間を短縮できるため、油っぽくならず、さっくりとした仕上がりに。
揚げたてを一口頬張った大東さんは、感動の表情を浮かべました。
【大東駿介さん】「めっちゃおいしい。すごい!ほんまに揚げ時間は短かったとしてもサクサクした食感はあって、だけどふっくらもっちりしてるっていう。驚いています」
■守る伝統と攻めの姿勢でパンを愛する
【大東駿介さん】「そのままの味で愛され続けて、守ることに徹してきたのかなと思ってた」
【河戸晴美さん】「守るものは守る。せやけど常に新しいことに挑戦していく」
伝統を守りながらも進化を続ける姿勢に、大東さんは深く感銘を受けました。
【大東駿介さん】「成長を止めない。それに感動してなお美味しいのかも。カレーパンに感動しました」
西陣織りの職人たちに愛され、100年以上の歴史を重ねてきた京都のパン文化。
その背景には、伝統を守りながら常に新しい挑戦を続ける職人たちの情熱がありました。
(関西テレビ「newsランナー 大東駿介の発見!てくてく学」2025年2月26日放送)