いよいよ日本時間の7日未明、開会式が行われるミラノ・コルティナパラリンピック。
華やかな演出が期待される開会式ですが、IPC(国際パラリンピック委員会)は5日、ウクライナなど一部の国が参加しないことを明らかにしました。
IPC・パーソンズ会長(2月24日):
ロシア・ベラルーシが開会式に参加したい場合、彼らを法的に拒否する手段はありません。
その理由は、ウクライナへの侵攻を続けるロシアとその同盟国のベラルーシについて、IPCが国の代表として出場を認めたことに反発したためです。
ウクライナのビドニー青年スポーツ相は、「殺人犯とその共犯者たちに、国旗を掲げてパラリンピックに参加することを認めた決定は遺憾であり、言語道断です」とSNSで痛烈に批判。
IPCは2月、ロシアの選手6人とベラルーシの選手4人合わせて10人に国の代表としての出場を認めました。
この決定によってパラリンピックでは、両国の国旗と国歌の使用が可能になったのです。
一方で、2月に行われたオリンピックでは、ロシアとベラルーシの選手は「中立な立場の個人資格の選手」での参加で、国旗と国歌の使用はできませんでした。
2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻。
IPCによりますと、ウクライナ、フィンランド、エストニア、ラトビア、リトアニア、ポーランド、チェコ、オランダの8カ国が開会式に参加しないと表明しているといいます。
今回の決定に、開催国のイタリア政府もIPCに対して「ウクライナに対する全面的な連帯と無条件の支持を改めて表明する」と決定を考え直すよう求める声明を発表。
一方、IPCのパーソンズ会長は「私たちは非常に民主的な組織です。IPCの最高意思決定機関である総会で下された決定は、理事会や会長によって覆されることはありません」と2025年9月に行われたIPCの総会で、ロシアとベラルーシの資格停止処分解除の決定がすでにされたと反論。
なぜ、オリンピックとパラリンピックで判断が分かれることになったのでしょうか。
元JOC(日本オリンピック委員会)参事でオリンピックアナリストの春日良一さんは、パラリンピックの起源にその理由があるといいます。
元JOC参事 五輪アナリスト・春日良一氏:
パラリンピックの起源というのは元々、第2次世界大戦で負傷した障害を受けた人たちのリハビリテーション、そのためにスポーツを使っていくというそういう大会を開いたのがきっかけなんです。だからロシアの国にいる人であってもパラリンピアンであれば、この人は戦争に賛同する人ではないとか、そういう信頼関係というのはどっかにあって、それがIOC(国際オリンピック委員会)と違う結果・結論を生んでいると。
スポーツ倫理学が専門の東洋大学の竹村瑞穂准教授は「(今回のIPCの決定は)より大きな分断が生み出されかねない。残念ながら今回の開会式ボイコットはそれを体現しているとも言える」としています。
元JOC参事 五輪アナリスト・春日良一氏:
パラリンピックが求めている平和な祭典、そこに選手が国を超え、宗教を超え、民族を超えて参加できるような環境をどうやってつくっていくか、もう一度真剣に考えてほしいと思う。