2024年9月に鹿児島県出水市の野田郷駅で発生した肥薩おれんじ鉄道の脱線事故について、国の運輸安全委員会が事故原因を明らかにした。枕木の損傷によりレールの幅が広がったことが脱線の直接的な原因であると発表された。

事故の概要と被害状況

国の運輸安全委員会が19日に公表した報告書により、事故の詳細な原因が明らかになった。事故現場付近の線路では、損傷した枕木が連続して存在していたという深刻な状況が判明した。

調査によると、現場付近の約60メートルの区間に敷かれた98本の枕木のうち、実に41本に不具合があったことが確認された。さらに深刻なのは、そのうち9本が速やかに交換が必要な状態であったことだ。

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枕木の損傷により、レールを固定する力が弱まり、結果的にレールの幅が拡大したことが脱線の直接的な原因と結論づけられた。この状況は、線路の保守管理における重大な課題を浮き彫りにしている。

事故前の検査体制に問題

報告書はさらに重要な指摘を行った。事故発生の約1週間前に実施された検査で枕木の不具合が確認されていたにもかかわらず、応急処置が行われなかったという事実である。この点について、肥薩おれんじ鉄道は取材に対し、「枕木の修繕計画を立てていた中で脱線事故が起きた」と回答している。

この回答は、計画段階で事故が発生してしまった状況を示しており、緊急性の判断や対応の迅速性について課題があったことを示唆している。

再発防止に向けた取り組み

事故を受けて、肥薩おれんじ鉄道は包括的な再発防止策を実施している。具体的な取り組みとして、全線路の徒歩による詳細な点検の実施や、社内教育の徹底などが進められている。

同社は今回の事故について、「地域公共交通としての使命を全うできるよう、引き続き安全運行を図りたい」とコメントしており、地域住民の足としての責任を強く意識した姿勢を示している。

地域交通への影響と今後の課題

肥薩おれんじ鉄道は地域住民にとって重要な公共交通機関である。今回の事故は幸い人的被害はなかったものの、約1日半の運行停止は地域住民の日常生活に少なからぬ影響を与えた。

線路の保守管理は鉄道運行の基本中の基本であり、今回の事故は日常的な点検体制や緊急時の対応判断について、改めて検証が必要であることを示している。地域の重要なライフラインとしての責任を果たすため、予防的な保守管理体制の強化が求められている。

(動画で見る▶鹿児島・肥薩おれんじ鉄道で脱線 原因は「枕木劣化」でレール拡大 検査後の対応が焦点に)

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鹿児島テレビ
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