ミラノ・コルティナオリンピックで、日本勢のメダル独占も見えてきたフィギュアスケート女子。

運命のフリーに向けた前日練習で滑り出しから満面の笑顔を見せていたのは、ショートプログラムで2位につけた坂本花織選手(25)。

坂本選手の曲かけの練習が始まる時には、笑顔で写真をスマートフォンで撮るしぐさもあった。
そして曲をかけての練習が終わると、観客席から大きな歓声が沸き起こり、注目度の高さがうかがえた。

ショートプログラムでは、ほぼノーミスの演技を見せた坂本選手は「フリーでもしっかり自分の演技ができるように、最後の最後まで集中して頑張りたいなと思っています」と話した。

今シーズン限りでの引退を表明している中、集大成となるフリーに向け、ジャンプやステップの感覚などをチェック、コーチと入念に確認していた。
そして、観客の声援に笑顔で応え、リンクをあとにした。

一方、ショートで一躍脚光を浴びた17歳の新星・中井亜美選手。
練習前には、4位の千葉百音選手(20)とともに観客席からの写真に笑顔で応じていた。

ショートでは、日本人女子選手としては4人目となるオリンピックでのトリプルアクセルを完璧に決め、首位に立った。

中井亜美選手:
この舞台を本当に最後の最後まで楽しむぐらいの気持ちでフリーに挑めたらいいなと思います。

前日練習ではトリプルアクセルの着氷はなく、やや苦戦している様子も見られたが、流れるようなコンビネーションジャンプを決めるなど順調な仕上がりを見せていた。

ショート4位につけた20歳の千葉百音選手はジャンプも完璧に着氷。
逆転のメダルを目指す。

いよいよ20日に決戦のフリーに挑む日本の3選手。

そんな中、金メダルを獲得した「りくりゅう」ペアが19日朝、生出演した番組でエールを送った。

木原龍一選手:
今回、チームジャパンの絆っていうのは過去一番だったと思うので、1人が頑張ればみんな頑張るっていう、その絆の強さが本当に今回すごかったかなと思います。

三浦璃来選手:
皆さんがやってきたことっていうのは本当にウソではないので、自信を持って最後は笑顔で滑ってほしいなっていうふうに思っています。

ショートで1位・2位・4位につけ、日本女子初のメダル独占への期待も高まる中、練習後、3選手たちは取材陣に笑顔を振りまき会場をあとにした。

坂本花織選手:
あしたがんばりまーす。目指せ(メダル)独占!

そんな中、日本勢のライバルの中でも“ダークホース”とみられているのが、ショート5位のアデリア・ペトロシアン選手(18)。
ショートでは、真っ赤なジャケットに黒いパンツの衣装で登場。
マイケル・ジャクソンメドレーを熱演し、72.89点の高得点をたたき出した。

ペトロシアン選手は、ロシア選手権を3連覇中だが、ウクライナへの侵攻でロシアの選手は国際大会に出場できないため、世界ランキングはない。
そのため、実力はベールに包まれたまま。
今回は、個人資格の中立選手として出場が認められている。

ショートの前日練習では、4回転ジャンプを着氷。
しかも2回転ジャンプとの連続ジャンプを決めていた。

フリーの前日練習でも、4回転ジャンプを何度も着氷。
今大会で、4回転ジャンプを決めた女子選手はまだいない。

そしてすぐそばにいたのが、ロシア出身のペトロシアン選手のコーチである、エテリ・トゥトベリーゼコーチ。
「鉄の女」と呼ばれているという。
女子フィギュアスケートで数々のオリンピアンを育ててきた、ロシアを代表するコーチ。
2018年平昌オリンピックで金銀メダルを獲得したザギトワとメドベージェワもエテリコーチの教え子。
そして北京オリンピックでは、さらにレベルアップ。
トゥルソワはフリーで4回転ジャンプを5本跳び、女子の4回転ジャンプ時代の扉を開いた。

今回のペトロシアン選手も、切り札は4回転ジャンプ。
前日練習でも、何度も4回転ジャンプを着氷させていた。

ペトロシアン選手は2025年9月のオリンピック予選大会で優勝したが、その時のフリーの得点は140.91。
この時、4回転は跳んでいない。
フリーで4回転ジャンプを成功させれば、表彰台が狙える。

ところが今大会は、これまでとは少し様子が違っていた。

実は今大会、エテリコーチが最初にその姿を見せたのは、フィギュア団体のジョージアのキス&クライ。
エテリコーチは、ジョージアのニカ・エガセ選手のコーチとして大会に登録されている。

この時、ジャンプでミスをし落ち込んでいたエガセ選手をエテリコーチは慰めることもなく、クールなまま。

過去にも、ジャンプで会場が沸いても厳しい視線を送り、ガッツポーズもなし。
ノーミスの演技を終えたザギトワが戻るとハグで迎えたが、その顔はまったく笑っていなかった。

こうした振る舞いから、「鉄の女」とも呼ばれているエテリコーチ。
今大会は中立選手として出場するペトロシアン選手の正式なコーチではないため、競技の際に付き添うことはできない。

海外メディアによると、ペトロシアン選手はフリーでの4回転ジャンプ挑戦について、「秘密にしておきたい。自分のプログラムについて話さない主義」と語ったと報じられている。

20日の女子フリーでどんな演技を見せるのか、メダルをかけた熱い対決が期待される。