おととし、滋賀県で保護司が殺害された事件の初公判が、あす=17日から始まります。
過去に被害者の保護司から更生支援を受け、「この人は裏切ったらあかん」と立ち直りに向けて歩んできた28歳の男性は、「同じ立場にあった者として、真相を知りたい」と語り、裁判を見届けるつもりです。
■「人生の中で絶大な人」保護司の新庄博志さんが殺害される
京都市の会社員、谷山真心人(たにやま・まこと)さん(28)。
育児放棄の家庭で育ち、10代のほどんどを少年院や刑務所で過ごしました。現在は飲食関連の会社を立ち上げようとしています。
谷山さんを保護司として支えてきたのが、新庄博志さん(当時60歳)でした。
【谷山真心人さん】「出会った当初の写真なので、新庄さんと。これがいわゆる社会人スタート。僕の人生の中で絶大な人を失ったから」
新庄さんはおととし5月、大津市の自宅で殺害されました。
逮捕・起訴されたのは、保護観察中だった飯塚紘平被告(36)でした。
■「しなくていいこと」までしてくれた新庄さん「本当に裏切ったらあかん」
【谷山真心人さん】「僕が通った場所で、同じ立場の人間に殺されたっていうのは…すごい歯がゆいです」
谷山さんは新庄さんと出会ってからも事件を起こし、刑務所に服役しましたが、新庄さんは、見捨てることはしませんでした。
【谷山真心人さん】「手紙をくださったりとか、面会に来てくださったりとか。本来、保護司として別にしなくていいことなんですよ。
『この人は本当に裏切ったらあかんかな』って。そういうことをしてくれる時に思いますよね」
■「なぜ新庄さんに殺意を持ってしまったのか。自分の目と耳で確かめたい」
あす=17日に始まる飯塚被告の裁判。なぜ、保護司の新庄さんの命が奪われたのか。
谷山さんは、裁判の行方を見届けたいといいます。
【谷山真心人さん】「真相を知りたいなって。同じ立場であった者として。社会が生きづらい、社会になじめないのはすごく理解している。
なぜ新庄さんに殺意を持ってしまったのか。自分の目と耳で確かめたい」
■減り続ける「保護司」20年で3000人減少・4割が70代
罪を犯した人への更生支援は非常に重要なものですが、保護司の数は年々減少しています。
ここ20年でおよそ3000人減っていて、現在、保護司を務めている人の4割が70代だということです。
そして保護司の新庄さんが殺害された事件を受け、去年12月、保護司法が改正されました。
<保護司の担い手の確保>
・任期を2年から3年に延長。
・新たな人材確保を「保護観察所の所長の責務」と規定。
など
<安全確保と環境改善>
・国が更生を目指す人と保護司の方の面接場所を国が確保すること。
・保護司の方が働いている場合、職場での休暇や勤務時間に配慮して、活動しやすい環境にすること。
など
■元テレ朝アナの西脇弁護士「安全確保などしっかりバックアップする体制を」
元テレビ朝日アナウンサーで弁護士の西脇亨輔さん「事件を起こした人を立ち直らせ、社会との懸け橋となる保護司という重要な仕事を、国は安全確保などしっかりバックアップする体制をつくってほしい」と訴えました。
【西脇亨輔弁護士】「今まで保護司の方の善意に頼りすぎでした。本当に重要な職業です。今まで様々な環境の中で育ってきて、保護司の方が初めて自分を正しく導いてくれる大人だったっていう人もたくさんいます。
私も弁護士として刑事事件の弁護をすることもありますが、弁護士とか検察官・裁判官というのは、適正な裁判のために裁判が終わるまでは、一緒にこの人と向き合っていくことはあります。
けれども、被告人のその先の社会とのかけ橋というのは、この保護司の方なのに、今まで安全確保について、十分な定めがあったのか。
去年の末に保護司法改正になりましたけれども、そこで初めて、この保護司の方の安心・安全な環境を国が作るということが明示された。
それまで昭和25年にこの法律ができてから75年間なかったんですね。これからその法改正も受けて、ちゃんとバックアップの体制を作って欲しいと思います」
(関西テレビ「newsランナー」2026年2月16日放送)