新型コロナ対策として行われた緊急事態宣言から約半年が経過した。宣言は解除されたが依然収まる気配は見えず、最近でも飲食店や学校などでクラスターも発生している。

そのような中で新型コロナウイルス感染症対策分科会が23日、「“感染リスクが高まる5つの場面”及び“感染リスクを下げながら会食を楽しむ工夫”を、国民・社会に幅広く伝わるよう発信して頂きたい」として、政府へ新たな提言をした。

同分科会は、新型コロナの伝播は、主にクラスターを介して拡大することから、今冬に備えるためには、クラスター連鎖をしっかり抑えることが必須だと指摘。特に、飲酒を伴う会食においてクラスターの発生が多く見られていることから、「感染リスクを下げながら会食を楽しむ工夫」も取りまとめたという。

たしかに、内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室が報道等情報を元に作成した「7月以降のクラスター等の発生状況の推移」をみると、「接待を伴う飲食店」「会食」におけるクラスターは、7月に比べて減ってはいるものの10月も発生している。
 

会食でのクラスターは現在も発生している(画像はイメージ)
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感染リスクが高まる「5つの場面」 

提言を具体的にみてみると、感染リスクが高まる場面として、「飲酒を伴う懇親会等 」「大人数や長時間におよぶ飲食 」「マスクなしでの会話 」「狭い空間での共同生活 」「居場所の切り替わり」の5場面をあげている。

提言では、各場面での感染リスクが高まる理由も説明している。

【場面1】 飲酒を伴う懇親会等 
・飲酒の影響で気分が高揚すると同時に注意力が低下する。また、聴覚が鈍麻し、大きな声になりやすい。
 ・特に敷居などで区切られている狭い空間に、長時間、大人数が滞在すると、感染リスクが高まる。 
・また、回し飲みや箸などの共用が感染のリスクを高める。

【場面2】大人数や長時間におよぶ飲食 
・長時間におよぶ飲食、接待を伴う飲食、深夜のはしご酒では、短時間の食事に比べて、感染リスクが高まる。
 ・大人数、例えば5人以上の飲食では、大声になり飛沫が飛びやすくなるため、感染リスクが高まる。 

【場面3】マスクなしでの会話 
・マスクなしに近距離で会話をすることで、飛沫感染やマイクロ飛沫感染での感染リスクが高まる。
 ・マスクなしでの感染例としては、昼カラオケなどでの事例が確認されている。 
・車やバスで移動する際の車中でも注意が必要。

感染リスクが高まる5つの場面(画像:新型コロナウイルス感染症対策分科会)

【場面4】狭い空間での共同生活 
・狭い空間での共同生活は、長時間にわたり閉鎖空間が共有されるため、感染リスクが高まる。 
・寮の部屋やトイレなどの共用部分での感染が疑われる事例が報告されている。 

【場面5】居場所の切り替わり 
・仕事での休憩時間に入った時など、居場所が切り替わると、気の緩みや環境の変化により、感染リスクが高まることがある。
 ・休憩室、喫煙所、更衣室での感染が疑われる事例が確認されている。 


たしかに、このような場面でのクラスターがこれまでに報道されている。10月も、「大人数や長時間におよぶ飲食 」の場面で、青森・弘前市では接待をともなう飲食店が元となり、あわせて101人の感染が判明。

「狭い空間での共同生活」の場面では、法政大学男子サッカー部の合宿所で20人、早稲田大学男子アイスホッケー部の寮で6人の感染が確認された。

感染リスクを下げながら会食を楽しむ工夫 

このような場面では感染リスクが高まることから、飲酒をする場合は(1)少人数・短時間で、(2)なるべく普段一緒にいる人と(3)深酒・はしご酒などはひかえ、適度な酒量で、と呼びかけている。

さらに、以下の留意点を紹介した。

・箸やコップは使い回わさず、一人ひとりで。 
・座の配置は斜め向かいに。(正面や真横はなるべく避ける) (食事の際に、正面や真横に座った場合には感染したが、斜め向かいに座った場合には感染しなかった報告事例あり)
・会話する時はなるべくマスク着用。(フェイスシールド・マウスシールドはマスクに比べ効果が弱いことに留意が必要)
・換気が適切になされているなどの工夫をしている、ガイドラインを遵守したお店で。 
・体調が悪い人は参加しない。
 

一方で、飲食店側の対応についても言及。ガイドラインの遵守 (例えば、従業員の体調管理やマスク着用、席ごとのアクリル板の効果的な設置、換気と組み合わせた適切な扇風機の利用などの工夫も)と合わせ、利用者に上記の留意事項の遵守や、接触確認アプリ(COCOA)のダウンロードを働きかけてほしいとした。

全ての場面で引き続き守ってほしいこと

最後に分科会では、これまでも呼びかけてきたマスク着用などの以下の基本的なコロナ対策も、飲酒に限らず全ての場面で引き続き行ってほしいともしている。

・基本はマスク着用や三密回避。室内では換気を良くして。
・集まりは、少人数・短時間にして。
・大声を出さず会話はできるだけ静かに。
・共用施設の清掃・消毒、手洗い・アルコール消毒の徹底を。
 

全ての場面でマスク着用などの対策が重要(画像はイメージ)

あと2カ月あまりで2020年も終わる。新型コロナの影響が続く中でリスクを減らして日常生活を送るために、今後も基本的な対策に加え、この5つの場面を避けることが感染予防につながることだろう。
 

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