新たに注意喚起「『密』を避けて外出しましょう」

新型コロナウイルスの感染拡大の予防策として、厚労省が「新型コロナウイルスの集団感染を防ぐために」を公表したのが3月1日。

これまでにクラスターが発生した場所の共通点として、「換気が悪く」「人が密に集まって過ごすような空間」「不特定多数の人が接触するおそれが高い場所」を挙げ、注意喚起をしてきた。
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さらに15日には「全国クラスターマップ」を作成して公開。報告数は随時更新され、現在は17日12時時点の8都道府県13カ所が最新となっている。

全国クラスターマップ の最新版(画像:厚生労働省)
全国クラスターマップ の最新版(画像:厚生労働省)
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そのような中、厚労省は新たに「『密』を避けて外出しましょう」という注意喚起を公表した。

内容は、3つの“密”がそろう場所がクラスター発生のリスクが高いと指摘。具体的には(1)換気の悪い“密”閉空間、(2)多数が集まる“密”集場所、(3)間近で会話や発声をする“密”接場面だ。

(画像:厚生労働省)
(画像:厚生労働省)

最後に、イベントや集会で3つの“密”が重ならないような工夫と、共同で使う物品への消毒を呼びかけ、新型コロナウイルスの感染予防の励行を訴えた。

「大規模イベントに参加されていた皆さまへ」

また、大規模イベントの開催を巡っては、安倍首相は20日、「リスクを判断して、慎重な対応が求められる」と指摘した専門家会議の提言をふまえるよう主催者に求めた。

イベント自粛の判断が主催者側に委ねられたことに、ネット上では「丸投げ」との声があがったが、22日、さいたまスーパーアリーナの「K-1 WORLD GP」が、来場者にマスクを配布するなどの対策を主催者側がとり開催された。ただ、このイベントについては政府が埼玉県に自粛を促すよう要請していたという。

こうした中、厚労省は「大規模イベントに参加されていた皆さまへ」という文書も公表。

大規模イベントが開催される場所には、クラスター発生のリスクが高いこの3つの“密”がそろう可能性があると指摘。その上で参加者に、イベント参加から2週間以内は特に下記の点への留意を呼びかけた。

(1)風邪の症状や37.5℃以上の発熱が4日以上続いている。
(解熱剤を飲み続けなければならないときを含みます)

(2)強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある。
※ 高齢者や基礎疾患等のある方は、上の状態が2日程度続く場合


このような症状があった場合には、「帰国者・接触者相談センター」に相談してほしいと説明。そしてセンターで相談の結果、新型コロナウイルス感染が疑われた場合には、専門の「帰国者・接触者外来」を紹介しているとのことだ。

「また相談後、医療機関にかかるときのお願い」として、「同センターから勧められた医療機関を受診し、複数の医療機関を受診することは控える」「受診する際にはマスクを着用するほか、咳エチケットや手洗いの徹底」の2点を呼びかけている。

(画像:厚生労働省)
(画像:厚生労働省)


東京都は23日、新型コロナウイルスの対策会議で、大規模イベントの自粛を4月12日まで延長するなどの新たな緊急対策をとりまとめた。この席上で、小池都知事は「この3週間、オーバーシュート、いわゆる爆発的感染拡大が発生するか否か重要な分かれ道」と述べている。

イベント開催の判断については、都道府県によっても温度差がでてくることが今後考えられるが、参加する側も留意点や感染リスクがあることをしっかり自覚した上で判断しなければならないだろう。


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プライムオンライン編集部
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