第4次安倍改造内閣スタート

 
 
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内閣改造と党人事が終わった。
石破さんは政府と党、どちらの役職にもつかなかった。
石破派も幹部ではなく若手が一本釣りされただけ。

政治家は改憲をサボってきた

一本釣りされた山下貴司氏(石破派)
一本釣りされた山下貴司氏(石破派)

総裁選の議論の中で石破さんサイドはしきりに、経済や安保政策が根本的に違うわけではない、
むしろ同じゴールには向かうが、そのやり方が違うんだ、というようなことを言っていた。

憲法改正もそうだが、もっとゆっくりと国民の声を聞き、党内の声も聞き、ついでに野党の言うことも聞いて、丁寧に進めたらどうかということだ。

まあそれはそうなんだけど、憲法改正ってもうかれこれ50年は丁寧な議論してますよ。
で、それは、丁寧な議論と称して政治家がサボって憲法改正の発議をせず、国民投票をさせてくれないのではないか、と僕は思うのだ。

だって憲法9条なんて子供が読んでもおかしいってわかるよ!
民主主義に丁寧な議論は必要だ。だがいつまでも決めないのはダメです。

冷や飯食べたほうがカッコいい時も

 
 

石破さん以外の党内の人たちも、野党の人たちもみんな安倍さんに話を聞いてほしいんだろう。

でも安倍さん、それははやめた方がいいよ。
安倍さんの魅力はエッジの効いた政策です。
それがなくなればむしろ早くレームダックになると思う。

だから石破さんのいうことはあまり聞かなくていいと思う。
つまり干した方がいい。
冷や飯食わせた方がいい。

石破さんだって負けたのに、実現しないであろう自分の意見を言うより、黙って冷や飯食べてる方がカッコいいよ。
麻生さんが例によっていいこと言ってます。
「冷や飯にもうまい食い方がある。チャーハンにするとうまいよ」だって。

 石破さんは料理が上手。
そこも魅力です。
だから冷飯でチャーハン作って麻生さんの事務所に届けるとか。
そうしたら麻生さんのことだから、
「石破の野郎、うまいチャーハン作るじゃねえか」とか言って喜ぶかも。

 そうやって臥薪嘗胆して3年後に今度こそ天下を狙えばいい。
そして石破さんが首相になったら人の言うことを丁寧に聞いて、正直、公正な政治をやればいい。

石破さんのビジョンが見えない

 
 

今回石破さんは党員票の45%を取り、ポスト安倍の先頭に立った。

ただ議員票は73票で自民党全議員の2割に満たなかった。なぜか?
安倍さんが怖いから?ポストが欲しいから?
違いますよ。自民党の国会議員はそこまでダメじゃない。

石破さんのビジョンが見えないから首相にするイメージがわかないのです。
やり方はわかった。丁寧なやり方。でもビジョンはまだ。
安倍さんとどう違う首相になるのか。それを知りたいのです。

石破さんはこれから3年間冷や飯を食べながらそれを考えて欲しい。
そして岸田さん、河野太郎さんに、できれば小泉進次郎さんらも加わって、ポスト安倍の日本をどうするのか、みんなで未来図を描いてほしいのだ。

(執筆:フジテレビ 解説委員 平井文夫)

(イラスト:さいとうたかし)

平井文夫
平井文夫

言わねばならぬことを言う。神は細部に宿る。
フジテレビ報道局上席解説委員。1959年長崎市生まれ。82年フジテレビ入社。ワシントン特派員、編集長、政治部長、専任局長、「新報道2001」キャスター等を経て現職。