習近平の愛想の良さが気になる

最近、習近平氏の愛想の良さが気になる。
3年前の日中首脳会談では安倍首相に会ってもそっぽを向いてふてくされていた習近平氏が、どんどん愛想が良くなり、先日のベトナム・ダナンの会談では忙しい合間に国旗まで立ててちゃんとした日中首脳会談を開催し、満面の笑顔を振りまいていた。
何故だろうか。
 

 
 
この記事の画像(2枚)

選挙に強い安倍首相は外交で人気

今回の外遊で安倍さんはトランプはじめ各国首脳から質問攻めにあった。

その内容は選挙だ。「よくあの選挙で勝ったな」「なぜいつも勝てるんだ」と。皆、選挙で選ばれる政治家なので選挙のことがものすごく気になるのだ。サミットの首脳会合では必ず国内選挙の話になるそうだ。「負けそうだ」とか「頑張れ」とか。

政府首脳によると、選挙のことが気になるのは実は習近平氏も同じだそうだ。習近平氏は本当は安倍さんが嫌い。靖国神社も行ったし憲法九条改正も狙ってる。しかし、今回安倍さんが選挙で勝ったので、そんな嫌いな安倍さんとあと4年も一緒にやることになり仲良くせざるをえない、と観念したのではないかと。
 

敵対関係にある中国に対し妥協など必要ない

日中の緊張関係は5年前と変わらない。尖閣の周りに中国の公船がウヨウヨしているし空からも来る。北朝鮮の核ミサイル製造の実質的なスポンサーは中国だ。根本の部分で日中は敵対しているのだ。
ただ首脳間の対話が大事なことはトランプさんとの関係と同じ。
もう一つ、今回のAPECで安倍さんがに集中した質問がある。それは「トランプさん何て言ってた?」だ。習近平氏だって、実は安倍さんに聞きたかったのだ。「トランプさん、何て言ってたの?」と。
中国と仲良くするために無理に妥協する必要など全くない。隣国として友人として堂々とフツーに付き合えばいい。仲良くする必要ない。首脳会談を見てそういう関係に近づいていると思った。


 

平井文夫
平井文夫

言わねばならぬことを言う。神は細部に宿る。
フジテレビ報道局上席解説委員。1959年長崎市生まれ。82年フジテレビ入社。ワシントン特派員、編集長、政治部長、専任局長、「新報道2001」キャスター等を経て現職。