コロナ禍で推奨されてきた、マスク着用が緩和されつつある。政府が5月に示した方針では、他者との身体的距離がとれて会話をしない場合など、一定の条件では外してもよいことになった。

ただ、実際はいまだに多くの人が常に着けている。外すことが恥ずかしい気持ちもあるようで、ネットでは“顔パンツ”という言葉で例えられている。

就職・転職全般の調査研究を行う「Job総研」が5月、20歳~59歳の社会人の男女708人に行った「脱マスク」の調査では、外したくても外せない人の存在も見えてきた。

不便でも…約9割が「着用を続ける」

調査によると、回答者全体の83.6%が仕事中にはマスクを「着用している」と答え、1日の着用時間は平均で8.3時間、中央値で9時間にのぼった。そして着用により、仕事上の不便(声が聞き取りにくい、着用時の痛みや違和感による集中力の低下など)を感じてもいた。

マスク着用で経験した不便(提供:Job総研)
マスク着用で経験した不便(提供:Job総研)
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その一方で、今後の着用については「絶対に続ける」(15.0%)、「続ける」(33.1%)、「多分続ける」(39.2%)となり、87.3%が着用に肯定的。否定的なのは「絶対に続けない」(1.6%)、「続けない」(3.7%)、「多分続けない」(7.4%)を合計した、12.7%にとどまった。

今後のマスク着用について(提供:Job総研)
今後のマスク着用について(提供:Job総研)

将来的な脱マスクのタイミングを聞いて(複数回答可)も慎重で、「特効薬ができてから」(48.5%)が最も多く、次いで「感染者が減った場合」(39.2%)、「国から言われたら」(30.3%)だった。

マスク非着用に良くない印象を持つ人も

さらに、マスクをしていない人への印象を聞いたところ、「関わりたくない」(36.5%)、「不快に感じる」(25.6%)を合計した、全体の62.1%が良くない印象を持っていた。職場で未着用者を見たときの対応は「必要なこと以外関わらない」「着用を促す」「腹が立つが何も言えない」などが上位で、厳しめな対応となっていた。

マスクをしていない人への印象(提供:Job総研)
マスクをしていない人への印象(提供:Job総研)

今回の調査では自由記述欄もあり、こちらでは「正直マスク不要な場面も多いと思うがマスクをしないと白い目で見られるため着けていることが多い」といった意見も見られた。