新型コロナウイルス対策での“マスク着用”の考え方について、政府が5月20日に新たな見解を公表した。この中で屋内についても、人との距離が確保でき、会話をほとんどしない場合、「マスクは必要ない」としている。

とはいえ、今はまだ、屋外でもマスクを外すのをためらう状況で、屋内では、より外すのをためらっているという人は少なくないのではないだろうか。

日立製作所が“マスク着用の基準”を見直し

こうした中、日立製作所は5月27日、新型コロナウイルス対策として、グループで設けていたオフィス内や工場などでのマスク着用の基準を見直した。

日立製作所は2020年の春から、国内のグループ会社を含む、従業員15万人余りを対象に、マスクの着用を推奨するという基準を設けていた。

ただ、夏の到来を前に、熱中症対策を検討し、政府がマスクの着用に関する考え方を示したことから、基準を見直した。

新たな基準では、基本的な感染対策の徹底を前提としたうえで、以下の場合、マスクを着用しなくてもよいというルールに改めている。

【屋内】
・身体的距離(2メートル以上)が確保でき、会話を行わない場合


【屋外】
・身体的距離(2メートル以上)が確保でき、会話を行う場合
・身体的距離(2メートル以上)が確保でき、会話を行わない場合
・身体的距離(2メートル以上)が確保できないけれど、会話を行わない場合

マスクを外してよいのはオフィス内のどんな場面?

たしかに熱中症対策には有効となりそうだが、基準の見直し後、従業員の皆さんはオフィス内でマスクを外すことができているのだろうか? また、マスクを外したくないという従業員のためには、どのようなケアをしているのか?

日立製作所の広報担当者に話を聞いた。


――マスク着用の基準を見直した理由は?

今後も感染予防対策が必要な状況なものの、特に製造現場などでは、夏場に向けて熱中症への懸念が高まること、そして、厚生労働省からの通達も出たことから、従業員の安全と健康を守るため、方針を見直しました。


――新たな基準でマスクを着用しなくてもよいとしている「身体的距離が確保でき、会話を行わない場合」。これはオフィス内で言うと、どんな場面?

2メートル以上、間隔をあけた席や、個室型ワークスペースなどで、各自がPCを操作する場面などを想定しています。

オフィス内でマスクを着用しなくてもよい場面(提供:日立製作所)
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――従業員は新たな基準に沿って、マスクを外すことができている?

各職場で環境が異なるため、一概には回答できませんが、基準を満たし、かつ、個人が希望する場合はマスクを外して、勤務しております。


――出社する時、従業員はマスクを着用している?

公共交通機関の中などでは「マスクの着用を強く推奨」しています。

「表情を通じたコミュニケーションという意味で助かる」

――マスクを外したくないという従業員に対しては、どのようなケアをしている?

会社としては「マスクを着用しなくても可」としているため、マスクを着用することも可能です。

オフィス内でマスクを着用しなくてもよい場面(提供:日立製作所)

――基準の見直しについて、従業員からはどんな声が寄せられている?

広報としての感想になりますが、チームメンバーが距離をとって、静かに業務をしている時だけでも、お互いマスクをしなくていいのは、「表情を通じたコミュニケーションという意味で助かる」ものと感じています。

また、従業員からは「マスクを外す場合と着ける場合をどう決めるかについて考える、よいきっかけになった」という意見も寄せられています。

 

「オフィス内でもマスクを着用しなくてもよい」とする、日立製作所の新たな基準。本格的な夏が到来する前の熱中症対策として、工場などの製造現場でも意味のある見直しだと感じる。
臨機応変さは求められるが、何となくマスクを外しづらいという世の中の空気感がある中で、外してもいいという指針を企業側が出すことは、“ウィズコロナ”にシフトする一歩が踏み出しやすくなるのではないだろうか。
 

記事 4297 プライムオンライン編集部

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