安倍首相2週連続病院へ 体調変化を盟友に取材

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8月24日、総理大臣連続在職日数が2799日となり、佐藤栄作元首相を抜いて歴代最長となった安倍首相。そんな記念すべき日の午前10時前、首相が訪れた先は17日に続いて2週連続となる慶応大学病院だった。今回は4時間弱の滞在で、その後は首相官邸に戻り打ち合わせをこなした。

安倍首相は官邸に入る際に記者団の取材に応じ「きょうは先週の検査の結果を詳しくうかがい、追加的な検査を行った。体調管理に万全を期してこれからもまた仕事に頑張りたい」と語った。

今回の病院訪問については、政府高官が「騒ぎすぎだ」と語るなど官邸側が健康不安の払拭に努めている一方、「なんらかの治療を受けている」と話す政府与党関係者もいるが、実際の状況はどうなのか。フジテレビは安倍内閣で経済産業相や経済再生相を務めた首相の盟友の一人、自民党の甘利明税調会長に単独インタビューを行った。

盟友・甘利氏の感想は「元気、体力的自信取り戻した」

甘利氏にまず、安倍首相が病院を出て官邸に入った際のインタビューの様子を見てもらった。すると甘利氏は「全然元気ですね」と笑顔で安心した様子を見せ、「今は声に張りもあるし、迫力もある。全く前と違う」と感想を語った。

甘利氏が8月12日に安倍首相と面会した際には「ずいぶん疲れておられるなということで心配で、総理休まれた方がいいですよと申し上げた」という状況だったが、その時に比べれば元気を取り戻しているという。

「病院から帰られたらずいぶん顔色もよくなっておられたようです。検査の結果、これから先に向けて体力的な自信も取り戻されたんだという風に思っています。その時(12日)からすると別人のようですね」

甘利氏が明かす安倍首相とのメール 持病と睡眠不足

実は甘利氏は直近に、安倍首相に対し体調を心配するメールを送ったという。すると安倍首相から気遣いに感謝する返信があり、甘利氏に対して逆に「体調に気をつけてください」とメッセージしてきたことに安心したという。

しかし安倍首相の健康状態をめぐっては、第一次政権での退陣の理由にもなった持病の潰瘍性大腸炎が悪化した可能性が指摘され、症状は深刻ではないかとの憶測も呼んでいる。この懸念について甘利氏は次のように語った。

「ご自身の持病はうまく医師団と制御・コントロールできているんだと思います。おそらく睡眠不足が続いておられますから、なんと言ってもやっぱり良い睡眠を取るって言うことが大事ですから、これでしっかりお休みになって心身共に万全な態勢で国の指揮を執ってもらいたい」

甘利氏は、このように安倍首相の睡眠不足を懸念しつつ、これを解消していくと共に、病院で点滴を受けるなどの健康管理は積極的に行うべきだとの考えを示した。

2ヵ月前にはステーキ完食 当時からの体調変化は

甘利氏が語るには、安倍首相は約2ヵ月前に食事を共にした際には非常に元気だったという。その会食とは6月19日の夜に都内のホテルで行われた、安倍首相・麻生副総理・菅官房長官と甘利氏の4人での会合だ。甘利氏はこんな裏話を披露した。

安倍首相との会食・6月19日
安倍首相との会食・6月19日

「最後の方にステーキが出たんですよね。(安倍首相は)ものすごい食欲があって出された肉はきれいに平らげられていました。私はだいたい食べてるうちに『もういいかな』ってなるんですけれども。総理と今まで何度も会食でご一緒しましたけれど、肉が出たら全部平らげますね」

安倍首相がステーキを完食したことを明かし、そのとき「これなら当分大丈夫だ」と感じたという。しかしその後、安倍首相はストレスの積み重ねからか体調が悪化し、健康不安が表面化してしまった。

それでも政府関係者は24日の病院訪問について「検診の結果が本当に悪かったらわざわざ正面から行かない。大丈夫なのだろう」と語り、「なんとか通院で乗り切ろうって気持ちが表れてるんじゃないかな」と安倍首相の政権運営継続への意欲を推し量った。

近く安倍首相自らが健康状態について詳しく説明する機会

安倍首相は、官邸で記者団から検査内容と検査結果について問われると「きょうは検査、再検査を行ったところだ。またそうしたことについてはお話しをさせていただきたいと思います」と述べ、今後自らの健康状態について、国民に説明する可能性を示唆した。

甘利氏が指摘した通り、安倍首相の体調が好転したのだとすれば、近く安倍首相が会見などを開き、自身の言葉で健康状態の回復についての説明を行うとみられるが、果たしてそれはいつのことになるか。最長政権となった安倍首相の一挙手一投足に、より一層の注目が集まっている。

(フジテレビ 政治部)

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