この春、全国でクマの出没が相次いでいます。岩手県では警察官が襲われる被害が発生したほか、岐阜県山県市では小学校の近くでクマが目撃されました。なぜ、春に出没が相次ぐのか?生態に詳しい専門家に話を聞きました。
■警察官が襲われる被害も…“冬眠明けのクマ”特徴は
岐阜県山県市の桜尾小学校の近くで4月21日午前10時ごろ、「クマがいる」などと市民から通報が複数寄せられました。
(リポート)
「学校の敷地のすぐ裏側で、クマが目撃されたということです。辺りは草木が生い茂っていますが、周りには民家も立ち並んでいます」
目撃者:
「ずっと西の山の方を歩いて、山の中に入ったのを見た。初めて見たので」
別の女性が撮影した写真には、真っ黒なクマのようなものが映っています。山県市によりますと、体長80cmから1mほどの大きさで、子グマの可能性もあるということです。
近隣住民ら:
「こんなに近くで出るなんて夢にも思っていないので」
「怖いというか、うかつに外に出られないなと」
春になり、クマの目撃情報が相次いでいます。岩手県紫波町では21日、行方不明の女性を捜索していた警察官がクマに襲われケガをしました。クマは駆除されましたが、現場付近では女性の遺体が見つかっています。
環境省によりますと、2025年度のクマによる人的被害は238人と過去最多となり、うち13人が死亡しました。
冬眠から目覚め、目撃情報が増えるクマの特徴を、生態に詳しい専門家に聞きました。
岐阜大学応用生物科学部の淺野玄准教授:
「クマは冬眠中、エサは全く食べていませんので、体力を回復させるために徐々に活動が活発になる時期。この時期に主に食べているものは、木の若葉とか花芽、山菜などを食べています。活動範囲はエサを求めて広げていきますから、人との遭遇リスクは高まってきます」
クマの目撃現場に近い山県市の桜尾小学校では、21日午後から24日まで、保護者が児童の登下校に付き添うことになりました。
保護者ら:
「大人でも襲われちゃうので、子供は特になので、すごく怖いです。(子供の対策は)鈴と防犯ブザーとか」
「びっくりしました。身近に来たのかなという感じです」
山県市内では、22日にも小学校からおよそ1km離れた国道でクマが目撃されていて、市は捕獲するための箱わなを設置するとともに、注意を呼び掛けています。
■増え続けるクマ…被害を防ぐには
クマの生態に詳しい岐阜大学の淺野玄准教授によりますと、岐阜県内に生息するクマの数はこの10年で1.5倍に増えています。秋のどんぐりに比べて、春に食べる新芽などは豊作・凶作の差が少ないですが、クマが増えたことで人里に出没してしまうリスクは高くなっているといいます。
また、クマが危険なのはもちろんですが、特に「親子グマ」に気を付けてほしいとしています。春は親子で初めて活動する時期で、成長期で活発に動く子グマを守ろうと、親が襲ってくる危険性が高まるということです。
クマの目撃件数は、岐阜県によりますと、4月は21日までに中津川市と本巣市で3件など、県内で13件ありました。
被害を防ぐため、2026年度から新たな取り組みを始めようとしている自治体もあります。
▼白川村
・クマのエサになる柿や栗の木を伐採
・動物が嫌がる音を出す機械を導入予定
▼飛騨市
・柿の木などを伐採したい個人に5万円の補助
▼高山市
・注意喚起のチラシ作成
▼揖斐川町
・緊急銃猟に向けた研修会
▼恵那市
・クマの動向を探るドローン(民間に委託)
