私自身の話をすると、以前はコーヒーを1杯飲めばパッと書けていた原稿が、なかなか仕上がらなくなる。するとだんだんとコーヒーの量が増える。そして気が付けば、コーヒーに頼って頑張っている時間よりも、カフェインが抜けた後にだるくて横になっている時間が増えるんです。
そんなに活動時間は長くないし、机には向かっているのですが、ぼんやりディスプレイを眺めたまま停止していたりとか、気が付いたらよくわからないYouTubeを見ていたりする時間が増えてくるんですね。

さらに、カフェイン漬けになっていると、一番「効いている感」のあるところから血中濃度が下がり始めると、憂鬱感や虚脱感が生じ、ネガティブになります。「生きるの、つらいな…」とか。僕もカフェインをたくさん摂取していた時はけっこうやさぐれていましたね。
それを打ち消すためにまたカフェインを取ろうとするのですが、一定の限界を超えると、コーヒーを飲むと胃が気持ち悪くなる。飲んでも鉛のような味がするんです。体が慣れてカフェインの恩恵に浴することができなくなるだけでなく、おいしいとも感じなくなってきます。
ある意味この、「主観的な味覚の変化」は大事な警告だと思います。眠気覚ましのカフェイン錠剤や風邪薬は、そもそも味を楽しむものではないからこそ、急性中毒になるまで摂取できてしまうのです。
朝のコーヒーがおいしい理由
ちなみに、朝のコーヒーがおいしく感じるのは、血中のカフェインが切れていて、離脱症状が出ているからです。
カフェインには半減期というものがあって、だいたい5時間で血中濃度が半分になります。代謝が遅い人は8時間くらいかかる場合もあります。カフェインは効果が出るのはけっこう早く、30分以内には「お、効いて来たぜ」となるのですが、抜けるのにはかなり時間がかかります。

ですから、午後遅い時間にカフェインを取ると寝る時間までに血中濃度が下がらず眠れなくなるので注意してください。
結論としては、少量のカフェインを効率よく取って、早く寝て早く起きて仕事に向き合うのが、私の経験からも効率がいいように思います。カフェインの力を借りて夜頑張っても、結局負債ができて効率が下がります。コンスタントに仕事をこなす方がトータルの生産性は高いのではないでしょうか。
やってはいけない取り方
最後に、よくないカフェインの取り方にも触れておきましょう。