ランニングの推進力の源は、着地時の衝撃。地面はいくら強く踏み込んでも凹みませんから、衝撃が強ければ強いほど大きな地面反力が得られます。それが推進力に変わるのです。

厚底は下半身の骨格にダメージが及びやすい(画像:イメージ)
厚底は下半身の骨格にダメージが及びやすい(画像:イメージ)

薄底シューズでもそのメカニズムは同じですが、厚底ではソールとカーボンプレートの復元力&反発力が加わるうえに、接地時間が短くなるため、一気に大きな力が加わります。

着地から蹴り出しまでの一連のプロセスをブレなく安定させるための脚筋力や柔軟性が不可欠。これらが不足していると、そのダメージは下半身の骨格に及びます。

若い世代は脚筋力も柔軟性も十分ですから、短い接地時間に集中するダメージをある程度コントロールできるかもしれません(それでも走りすぎるとダメージが溜まり、故障につながるケースも珍しくありません)。

しかし、中高年になると加齢や運動不足などで脚筋力も柔軟性も低下していますから、短めの接地時間で集中的に加わる反発力を上手に制御できなくなり、故障につながる可能性が高くなっているのです。

薄底・厚底で変わる故障部位

薄底時代でも、故障に悩む市民ランナーは大勢いました。その大半は、膝やふくらはぎ、足首や足底のトラブル。