能登半島地震の発生から10日となり、これまでに死者213人、安否不明者37人が出ている。
被災地では、警察・消防に加え、迷彩服にヘルメットをかぶった自衛隊員も行方不明者の捜索にあたっているが、いま新たな問題が起きている。“ニセ自衛官”の出没だ。

被災地に“ニセ自衛官”出没

地震で甚大な被害が出た石川・穴水町は10日夜、SNSに注意喚起を投稿した。

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「町内で偽物自衛官の出没情報がありました」

町の担当者は...。

穴水町 災害対策本部・松尾美樹さん:
8日に、迷彩服を着て町をうろつくようなことが目撃されたという情報があった。自衛官を装った方がいた。

迷彩服姿で、支援を装って被災地の家に上がり込む“ニセ自衛官”。

「本当に憤りしかない。腹立たしい気持ち」
「本当に憤りしかない。腹立たしい気持ち」

穴水町 災害対策本部・松尾美樹さん:
(本物かどうか)疑わなきゃいけないというのが、町の職員としても心苦しい限り。本当に憤りしかない。腹立たしい気持ち。

穴水町や珠洲市などで活動する本物の自衛隊員は「ニーズ把握隊」と記したワッペンを身に着け活動している。

支援物資を運ぶ自衛隊員の肩にはワッペンが…
支援物資を運ぶ自衛隊員の肩にはワッペンが…

陸上自衛隊のSNSを見ると、支援物資を運ぶ隊員や、被災者のニーズを聞き取る隊員の肩にはワッペンがついている。

自衛隊制服組トップも注意喚起

11日午後、自衛隊制服組のトップも、ニセ自衛官について注意喚起した。

「単独で1人で、例えば孤立地域の家屋を訪ねて行くということはありません」
「単独で1人で、例えば孤立地域の家屋を訪ねて行くということはありません」

自衛隊・吉田圭秀統幕長:
われわれ組織で動いているので、単独で、1人で、例えば孤立地域の家屋を訪ねて行くということはありません。

見極めるポイントについて、陸上自衛隊で14年間勤務した元自衛官は…。

「最寄りの駐屯地、自衛隊の基地に問い合わせると本物かどうかわかると思います」
「最寄りの駐屯地、自衛隊の基地に問い合わせると本物かどうかわかると思います」

元自衛官・三好雄介さん:
もし怪しいなと思ったら、部隊名・任務・氏名、この3つを確認して、最寄りの駐屯地、自衛隊の基地に問い合わせると本物かどうかわかると思います。

また、屋外では帽子やヘルメットをかぶることが規則だとして、何もかぶっていない場合はニセ自衛官の可能性があると指摘。

警察庁によると、被災地では災害に便乗した空き巣などの犯罪がこれまでに17件確認されているといい、注意が必要だ。

不審に思ったら消費者ホットラインなどに相談を

榎並大二郎キャスター:
混乱に乗じた、まさに火事場泥棒ですよね。 実際、私も先日、避難所を訪れた際にこんな張り紙がありました。

榎波キャスターが取材で訪れた避難所には、こんな張り紙が…
榎波キャスターが取材で訪れた避難所には、こんな張り紙が…

ブルーシートを法外な値段で売りつけようとする業者がいて、実際に相談も寄せられていると…。本当に人の道に外れた行為だと思います。

ジャーナリスト・柳澤秀夫氏:
被災して弱い立場になっている人につけいるのは決して許されないし、卑劣な行為ですよね。でも、これが現実であるとすれば、もう周知するしかないですね。こういうことがあるということを知ってもらって、一人でもそういう被害に遭わないようにするしかないと思います。

宮司愛海キャスター:
支援や救助に来た人を疑わなくてはならないという、なんとも悔しくて悲しい状況です。

尚、不審に思った時は各地の消費生活センター・消費者ホットライン(188)や、警察相談ダイヤル(♯9110)などに相談をして下さい。
(「イット!」1月11日放送より)

<フジネットワーク サザエさん募金>能登半島地震救援