冬眠から目覚めた“春グマ”が各地で出没していて、住宅街や幼稚園の周辺でも目撃されています。
ゴールデンウィークを間近に控え、観光地では警戒が高まっています。
住宅街に現れたのはクマ。
暖かくなり各地で冬眠から覚めた“春グマ”の出没が相次ぎ、早くも人が襲われる被害が出ています。
21日、岩手・紫波町でクマに襲われたのは50代の警察官。
現場に響く銃声。地元の猟友会によってクマ1頭が駆除されました。
警察官は山林で行方不明となった女性を捜索中にクマに襲われ、顔や腕などをかまれ重傷を負いました。
クマがいた付近では女性の遺体も見つかり、警察は身元の確認を急いでいます。
一方、大都市でも“春グマ”は出没しています。
18日、宮城・仙台市でカメラが捉えたのは、のそのそと夜の住宅街を徘徊するクマ。
交差点に差し掛かると画面の右側へ。
マンションの駐車場に止まる車の横を進んでいきます。
さらに住宅の庭に設置された防犯カメラにも、その姿が捉えられていました。
住宅の前を通った直後、飼い犬が興奮した様子でクマに向かって吠え続けていました。
クマの目撃者:
犬が突然吠えたので、ふと後ろを向いたら黒い物体がそこを…。のぞいたら黒いお尻が見えました。ノソノソという感じ。小走りなのが逆に怖くて、あとからゾクッとしました。
この住民は、犬が吠えなければクマに襲われた可能性もあったと話します。
クマの目撃者:
もし犬が吠えていなくて、私がフェンスの近くにいたら襲われたとか…。まさか(クマが)来ると思っていないところに来たので、街中ですから。
クマはその後、仙台市中心部にあるマンションの駐輪場にも出没しました。
「ありえないんだけど…」と驚きの声を上げる住民。
クマの体長は1.5メートルとみられ、大きな体を揺らしながら歩いていました。
危険と判断した市は、麻酔銃などを使った緊急銃猟で駆除しました。
また、クマの出没が2025年に相次いだ秋田市でも19日、住宅街にその姿が。
道路を小走りで駆けていきました。
クマが撮影された場所は通学路になっていて、人や車の通りが多いということです。
秋田県内ではクマの目撃情報が4月だけですでに211件に上り、3月の約7倍に上っているといいます。
暗闇の中で、ぎらりと光る目。
富山・砺波市で山あいに設置されたAIカメラの映像で、20日に撮影されました。
クマはカメラに気づくことなく、前をゆっくりと横切ります。
富山県では2026年に入ってクマの出没が20件あり、2025年の同じ時期より増えているといいます。
クマの恐怖は子供たちにも及んでいます。
福島・鏡石町にある幼稚園では21日午後8時ごろ、駐車場でクマが目撃されました。
そのため、警察官が警戒する中で子供たちが登園することになりました。
近くの畑にはクマの痕跡が。
地元猟友会:
この辺を(クマが)夜渡っていったのでは。クマの足跡がある。山もないところにクマが出てくるとは思ってもいなかった。
急増する“春グマ”の出没。
22日に取材班が向かったのは、目の前に迫ったゴールデンウィークには多くの観光客が訪れる人気温泉地の栃木・日光市。
21日午後3時ごろ、小学校の近くで2頭のクマが目撃されたばかりです。
クマを目撃した男性:
(Q.ここを自転車で走っていた?)ここを…ずーっと来たら『クマ!』と。『えー?クマ?』と。こうやって見たら、そこ(竹やぶ)を上がっていった。
道路の真ん中にいたクマは、声を上げると竹やぶの方へと逃げていったといいます。
クマを目撃した男性:
(Q.クマの大きさは)柴犬よりもちょっと大きいかな…だからまだ子ども。
出没した2頭のクマは親子なのでしょうか。
近隣住民は「怖いですよクマは…みんな頭からやられちゃう。草むしりしようと思ったのに嫌だな…」「心配なのは(隣の学校で)給食を作っているから香りがする。それでクマが寄ってくる」と話すなど、恐怖におびえながら生活をしていました。
21日にクマが出没したことを受け、地元の猟友会は午後、子供たちが下校する様子を見守っていました。
日光市の小学生は「(これは)クマが出るときにピカッと光らせるやつ。(クマを目撃したら)後ろを向かずにそっと逃げる」「怖いし…登下校中に襲われたりしたら大変。クマは出ないでほしい」と話しました。
専門家の岩手大学・山内貴義准教授は、“春グマ”の出没が急増している理由について、「(2026年は)だいぶ暖かい日が続いて冬眠明け自体がかなり早い。基本的に冬眠明けは下草の新芽や山菜を食べる。冬眠から早く覚めてしまうと餌資源がまだ十分繁茂する前ということで、人里に来ることが多い」と指摘します。
ゴールデンウィークに行楽などで山に入る際は、十分な注意が必要です。