10月6日からウズベキスタン・タシケントで開幕する、2022世界柔道選手権。
半ば諦めかけていた中でチャンスに恵まれた幸運な男がいる。
81キロ級、藤原崇太郎(ふじわらそうたろう、24歳)だ。
この記事の画像(5枚)藤原の魅力は鍛え抜かれた肉体と外国勢にも引けをとらない足腰の強さ。
日体大出身で、一つ上の学年には東京五輪金メダリストの阿部一二三がいる。藤原にとって、輝かしい功績を残す阿部が与える影響はかなり大きいという。
「刺激どころじゃないですよ。いてもたってもいられなくなります。もう。あの人(阿部)の試合を見ていたりしたら」
阿部からの刺激を受け、藤原は実力を開花させる。阿部と共に過ごした時間は絶大だった。
一躍スター選手に
2018年の藤原は波に乗っていた。
同じ階級で後の東京五輪金メダリスト・永瀬貴規がケガで離脱する。その隙間をぬうように藤原は世界選手権に初選出された。
そこで藤原は、決勝まで駒を進める快進撃を見せ、銀メダルを獲得し、世界中を驚かせる。「また強い日本人が出てきた」と世界にそんなインパクトを残した。
しかしその後、永瀬の復活と自身の活躍によるマークの厳しさが激しさを増してしまい、世界の舞台で思うような結果が出ないでいた。
柔道そのものはひたすらコツコツ
永瀬を追随する中で、藤原は努力を惜しまない。
その姿には男子日本代表の鈴木桂治監督たちも舌を巻く。
鈴木監督は、「『努力に勝る天才は無し』といいますけれども、ただ『コツコツ』やる努力がしっかりと花開いている選手かなと思いますね」と語る。
秋本啓之コーチも「『コツコツ』、しっかりとポイントを押さえながら勝っていく選手かなと思います」と話した。
チャンピオンを倒せる絶好機
81キロ級の先頭を走る永瀬と4月、選抜体重別選手権で藤原は一本負けの完敗を喫する。
世界選手権への出場は半ば諦めかけていたが、2枠目が舞い込んできた。
藤原がこれまでコツコツ積み上げてきたものが、チャンスへと変わった瞬間でもあった。
その世界選手権の舞台で五輪王者を倒し、金メダル初戴冠となれば時代が一気に動く。
「オリンピックの舞台に立っていない自分が、強豪選手たちと試合できるというのは貴重なチャンスで、負けてられない。負けている暇はないので」
代表レースへ大きな波紋を生じる逆転の一手で、藤原が新時代をつくる。
「僕の実力を世界に知らしめることでパリ五輪に向けての第1歩どころか3歩ぐらい近づくんじゃないかなと思っている。優勝しか見ていないです」
2022世界柔道選手権
10/6開幕!
フジテレビ系列で8夜連続中継!
https://www.fujitv.co.jp/sports/judo/world/index.html