元夫側は「減額」を主張…

一方、被告の翔太さんは慰謝料の支払い義務は争わない姿勢を見せつつ、以下3点の事情から減額されるべきであると主張した。

・生活費の扱い
美咲さんには「夫婦で助け合う」という考えがなく、美咲さんが立て替えた生活費を借金のように返済するよう求められた。

・働くことの強要・監視
収入の少なさに対する不満から、働くことを常に強く求められ、共通の知人を通じて仕事ぶりを監視されていたため、精神的に疲弊した。

・暴言の存在
美咲さんから「旦那はいらない」「子どもだけ欲しい」などといった被告をないがしろにする言葉を繰り返し浴びせられたと主張した。

また、離婚合意書については「これで全て終わり」と美咲さんに言われたことで、慰謝料も含めて完全に清算されたと理解していたと主張した。

元夫の不貞「悪質」と裁判所

裁判所は、まず被告・翔太さんの不貞行為について「態様は悪質」と断じた。

結婚からわずか4カ月程度で不貞行為を開始し、その後も別の女性との関係が続き、最終的には同棲に至っている点を指摘。「原告の精神的苦痛は察するに余りある」として、原告・美咲さんの精神的苦痛は極めて大きいと判断した。

東京地裁
東京地裁

また、被告側の慰謝料の減額を主張した理由のうち、「生活費の扱い」については、夫婦共働きの場合には双方の負担金額を決めるのは「何ら不自然ではない」として、負担分を超える金額を支払った美咲さんが返済を求めるのは「不合理とは言えない」と判断した。

また「働くことの強要・監視」や「暴言」については、いずれも「証拠がない」として退けた。

離婚合意書については、慰謝料に関する記載が一切ない事などを根拠に、慰謝料請求を放棄するとの合意があったとは認められないと判断した。

東京地裁は1月、被告の翔太さんに対して、請求額通り慰謝料200万円と、2024年7月9日以降の年3%の遅延損害金を美咲さんに支払うよう命じた。

プライムオンライン編集部
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